セントイブ動物外科病院で診察を受けた子猫は生後約2か月。
小さな子猫にも拘わらず、左前脚に古い骨折があり、治療されなかったために感染症を引き起こしていました。
子猫の命を守るためには残念ながら切断するしかありません。
さらにお腹に寄生虫が見つかり、皮膚の感染症(白癬)もあったため1日に何度も薬の服用が必要な状態でした。

子猫は人間をとても怖がり、耳を平らにしてケージの隅で身を縮めてしまいました。
病院のスタッフ達は、子猫が手術に耐えられる体力を回復するまで交代でお世話をしました。

地元の保護施設キャットレスキュー901のディレクターを務めるジェニーさんが子猫の窮状を知り手術の前日に子猫に会いに行きました。
ジェニーさんは子猫の脚の状態を見て心を痛めました。
『子猫は生き延びるために戦い傷ついてしまったのでしょう。あんなに可愛そうな足は見たことがありません。』
そう話しています。

病院のスタッフ達は子猫にトリアージと名前を付けていました。
トリアージはゆっくりとジェニーさんのところまで近づき頭を擦られると、甘えるような仕草を見せジェニーさんに頭を擦りつけるようになりました。
人間に怯えていたトリアージでしたが、ジェニーさんに会って人間の温かさを信じる気持ちになったのかもしれません。
彼女は自分からジェニーさんに顔をスリスリしてきました。

手術を終えたトリアージをジェニーさんは施設に引き取ってお世話をすることにしました。
トリアージはジェニーさんの夫のベッドに一緒に眠り、嬉しいときは喉をゴロゴロ鳴らすようになりました。
ほんの1週間前、ケージの隅っこで怯え切っていたトリアージは、ジェニーさん夫妻に愛情を注がれて温められていました。

トリアージの耳はもう平らになることはありませんでした。
術後の彼女は以前より元気になり、ジェニーさんも以前より気分の良さそうなジェニーを見てホッとしたそうです。
キャットレスキュー901はトリアージを保護し、新しい家族を探す準備をするためにリハビリと社会化の場を提供することを決めジェニーさんの夫は付きっきりでトリアージのお世話をしました。

トリアージの回復の速さは目を見張るものがありました。
トリアージは数日安静にしていましたが、すぐに元気を取り戻し、3本足で歩くことも全く問題はありませんでした。
さらにわずか数日で走るようになり、ジャンプすることもできるようになりました。
『トリアージは体のバランス感覚を取り戻し、同時に自信を取り戻しました。
心身共に元気を取り戻していき、いろいろな遊びを楽しむようになりました。
彼女は遊びや私たちとハグすることが大好きで寝ることはいつも一緒です。』

予想以上の回復を遂げたトリアージは治療を終え、新しい家族を探せる時期を迎えました。
元気を増すごとにトリアージは愛情深く甘い個性を開花させました。
トリアージを見守ってきたジェニーさんと夫は、トリアージには一緒に遊んでくれる若い猫のいる家族を探し始めたそうです。

とても大きな声でゴロゴロと喉を鳴らすトリアージはますます元気さを増して走り回って遊んでいます。
ジェニーさんは3本足のトリアージを障害のある猫とは思わないと話しています。
普通の生活ができ、完璧に動き回るトリアージ。
エネルギーに満ちたトリアージは迎えてくれる家族に笑顔を増やしてくれそうですね。