『ダメ。』
彼女が尋ねるたびに私はそう答えました。
自宅には私の犬達が待っているし、そもそも私は犬派の人間です。
ガールフレンドが何を言っても猫を飼う気はありませんでした。
でも、その日、動物虐待防止協会の中にいた1匹の子猫は別の計画を企てていたのです。

ニルヴァーナという子猫が居ました。
スタッフの話では生後数か月の時にシェルターの前に兄弟と一緒に箱に入って捨てられていたそうです。
『その子は人見知りをしてあまり懐かないんです。』
スタッフにそう言われて一瞬ためらったのですが、私が抱きあげると甘えてきました。
そして私の膝の上に座ったのです。

『どうやったんですか?この子は誰にも抱かれようとしなかったんですよ。』
ニルヴァーナの性格を知っているスタッフたちは私に抱かれた彼女を見て驚くというよりショックを受けたようでした。
そのとき、私は心からニルヴァーナを可愛いと思いました。
しばらくの間、ニルヴァーナは私の膝を温め、すっかり私たちは打ち解けていきました。

しかし、私とガールフレンドはニルヴァーナを残してシェルターを後にしました。

ところが、自宅に戻った私はすぐに後悔しました。
ニルヴァーナのことが頭から離れなかったのです。
最初は飼い主としてやるべきことがあり過ぎる気がして、ちゃんと責任が果たせるか不安に思いました。
だけど車で自宅へ向かう間に気持ちが変わったのです。

私たちはすぐにシェルターに連絡を取って、ニルヴァーナを引き取りたいと告げました。
シェルターはあとで返事をくれると言いました。
私たちはいい知らせを待つことにしました。

しばらくしてガールフレンドが私にこう言ったのです。
『悪い知らせといい知らせがあるの。
悪い知らせはニルヴァーナが今日、引き取られたそうよ。』
『・・・じゃあ、いい知らせは?』
『いい知らせは彼女を引き取ったのは私たちだってことよ。』
私は経験したことのない驚きと喜びで興奮しました。
ガールフレンドと私は急いでシェルターへ戻って引き取りの手続きをしました。
私たちがニルヴァーナを迎えに行くと、彼女は私たちを覚えていて顔を見るととても喜んでずっと鳴いていました。

私たちの家族に加わったニルヴァーナは犬達ともとてもいい友人になりました。
私は自分がかなりの猫派だということをニルヴァーナに教えてもらったわけです。