ジューンというその子猫は、廊下を素早くいったり来たりしました。
彼女にとって見えないことは特別なことでも、困ったことでもありませんでした。
ジューンはほとんど普通の猫と同じように行動することができました。
数か月ジューンのお世話をした私はすっかり彼女の個性に心を奪われてしまいました

ジューンに心を奪われたのは私だけではありませんでした。
彼女と会った人は必ずとジューンに夢中になり、ジューンもまた会う人すべてに愛情を求めました。
ジューンは喜びの感情をエネルギーに変えて発散し、周りにいる人を巻き込んでいく、そんな不思議なパワーを持っていました。

会う人ごとに愛されるジューンでしたが、新しい家族との出会いにはなかなか恵まれずにいました。

DARGはグループのFacebookにジューンのストーリーを投稿しました。
2018年3月20日、アンドリュー・ダフとレベッカ・ワーナーのカップルが一目でジューンに心を奪われ、一度の面会もなしに家族に迎えることを決めたのです。
ダフは『私たちはまさしく一目でジューンに恋をした。』そう言っていました。
そして、ジューンと初めて会ったときふたりの決心が間違いなかったと確信したそうです。

ダフがジューンをそっと抱き上げると、ジューンは彼の腕の中で丸くなり、抱きしめられるとぴったりと体をくっつけてダフから離れませんでした。

ジューンを連れて自宅へ戻る車の中で、ダフはジューンの首に『Daddy’s Girl』と書かれたチャームを付けてあげました。
ジューンはダフに抱かれ彼の首元に顔をうずめるといつまでも離れなかったそうです。

ふたりの家にはレイアとリール―と名付けられた猫が待っていました。
ダフもレベッカも2匹がジューンを受け入れてくれるのか多少の不安を懐いていたようです。
確かにジューンは2匹によそよそしい態度で迎えられました。
しかし、ジューンは2匹と仲良くなることを決意し、積極的に2匹のなかに溶け込もうとしたそうです。
数週間、ダフとレベッカは3匹の騒動や混乱を見守り、最終的に3匹はとても仲のいい姉妹に落ち着いたそうです。

ダフとレベッカは今でもグループに現在のジューンの様子を伝えてくれています。
ふたりがジューンとの散歩の様子を送ってくれたとき、私たちは家族に愛されるジューンの姿に心を打たれました。
ハーネスを付けて散歩をするジューンはのびのびと自然とふれあい、生き生きと輝いていました。

『全く目が見えないにもかかわらず、ジューンは自然を満喫しています。
ジューンが音に反応するのを見るのはとても素晴らしいです。
ジューンは花の周りを飛ぶ蜜蜂の羽音を聞き飛び跳ねます。
鳥のさえずりを聞いて急に方向を変えたりもします。
そしてジューンは歩いただけですぐにその場所の正確な位置関係を頭に描くことができるようです。』

『ジューンは歩くとき、まず匂いを確かめます。
外の世界は広いから、始めはジューンに合わせるために根気が必要でした。
しかし、ジューンと歩く私たちはおかげで今という瞬間を楽しむことを覚えました。
ジューンは私たちに気付かなかったことを教えてくれています。』

ジューンを待っていたのは最高の家族との出会いでした。