私の友人が送ってくれた1枚の写真からすべてが始まりました。
子猫の名前はテイト。
生後4か月の本当に小さな子猫でした。
テイトは軟骨形成不全の症状を持つ小人症の状態で生まれ、以前の飼い主に見捨てられていました。

写真を見た私たちは子猫の愛くるしさに一瞬で心を奪われ家族に迎えることにしました。

テイトを始めて家に連れて帰ったとき、私たちと暮らしてきたキング・ボブ(オスの黒猫)はすぐに彼女の匂いを確かめました。
驚いたことに、キング・ボブの半分にも及ばないテイトは彼に向かって唸り声をあげて威嚇したのです。
それ以来、キング・ボブはテイトをとても可愛がるようになりました。
テイトは瞬く間に私たち家族から愛情を注がれる存在になりました。

テイトはとても元気で食欲も旺盛、よく食べ、よく遊びました。
彼女はちょっと不器用なところがあり、ウェットフードのお皿に前足を突き刺してフードだらけになって食べました。
しかもいつも食べているので彼女の白い毛の部分はいつも汚れていました。
私は1日2回テイトをお風呂に入れなければなりませんでしたが、それでも、彼女の白い毛がきれいに輝くことはありませんでした。

とてもたくさん食べるのに、大きくはならないテイト。
食べたものはどこに消えていたのでしょうね。

小人症の猫は体が小さいだけでなく、健康に問題を抱えるケースが少なくありません。
私はテイトが食事の後にうがいをするような音を立てていたのが気になって動物病院へ行きました。
獣医師は二次的な呼吸器感染症の疑いがあると抗生物質を処方しました。
診察の際、獣医師はテイトの下顎の発達が適切ではないために口の中をよく見ることができませんでした。
喉のどこかに口蓋裂があるかもしれないと言っていました。
獣医師は治療できる問題はあるにせよ、心臓も肺も異常は見つからず、サイズ以外は全くの健康体だと言ってくれました。

私たちと暮らし始めて4か月が経った頃、テイトに異変が起こりました。
後ろ足がぐらつき始めたのです。
はじめはどこかにぶつかったのかと思いました。
しかし、しばらくすると前足が内側に曲がり始めテイトは何度も何度も転びました。
その頃のテイトは曲がった前足の肘をつき、ぐらつく後ろ足を引きずるように歩きました。
そんな状況でもテイトは立ち上がり、歩くことを止めませんでした。
自分のお皿の前に立ち、部屋から部屋へ歩いて行こうとしました。

しかし、状況はどんどん悪くなりました。
かかりつけの獣医師たちは原因を突き止めることができず、手に負えないと大きな病院を紹介してくれました

病院をかえた頃、テイトはほとんど歩けない状態まで悪化していました。
精密検査の結果、テイトの大きくならない頭蓋骨が中を一部圧迫し足への神経伝達が阻害されていることが分かったのです。
テイトはそのとき足を一歩も動かすことができなくなっていました。
治療のためにさらに大きな動物病院と神経外科医を紹介されました。
検査を重ねるたびに結果は切望的なものばかりでした。
獣医師は彼女に鎮痛剤を処方することしかできませんでした。

5月の終わり、ある治療器具を試すことになりました。
磁力を利用して組織の修復や治癒が期待できるというものでしたが、私たちは可能性が少しでもあるのなら試してみようと思いました。
テイトの身体をリング状の器具に通しておくだけなので動けないテイトにとっては負担の少ないものでした。

器具を使い始めて1週間後、テイトは曲がった前足を伸ばせるようになりました。
そしてしばらくすると、テイトは再び立ち上がり、部屋から部屋へと歩き始めたのです。
テイトの足に異変が起きて数か月、彼女の回復ぶりには目を見張るものがありました。

テイトは今、再び自分の足で階段を上れるようになっています。
獣医師の中にはテイトの安楽死を視野に入れていた人もいました。
しかしテイトは最悪の時でも、決して歩くことを止めようとはしませんでした。
テイトは常にテイトで居続けたのです。
私は高額な治療費を賄うためにネットで寄付を呼び掛けました。
すると、目標額を上回る寄付が寄せられ、私は治療や検査の領収証をテイトの経過とともにSNSに投稿しています。

テイトは世界中のたくさんの人の善意に支えられ、彼女自身の強い意志で困難を乗り越えることができたのです。
私たちは小さな甘い子猫を誇りに思います。
そして何が起きてもテイトがテイトで居続けることを支えようと思っています。