10年前に最愛の妻に先立たれた彼に子どもがいないことからも愛猫とふたり静かに暮らしていました。
しかし、歳をとった彼は自力で生活することもままならず、愛猫の世話も出来なくなったのです。
数週間後、ベッドからも起き上がることが出来なくなった彼の異変に気付いた近所のひとが警察に連絡し彼は入院しました。
そして彼の家の片づけをした作業員によって地下室で瀕死状態の愛猫を発見したのです。
作業員によるとはじめは猫だとは分からないほどの酷い状態だったといいます。

連絡を受けたシカゴの動物保護団体のスタッフが現場へ到着するとあまりにも酷い状態に言葉も出ませんでした。
猫というよりモコモコした綿毛の塊が置いてあるようでした。
しかし、かすかな声で「ニャー」と鳴いたのを見てスタッフたちは涙を滲ませながら猫を保護してきました。
猫の体はとても汚れていて長いケガ絡まり動けない状態で何日も食べていないせいかとても軽かったといいます。

猫には緊急処置としてまずは毛をカットしブラシをかけました。
毛はフェルト状になっており約2.2キロの重さがありました。
猫の体重は4.5キロだったので半分はこの毛の重さですからガリガリに痩せてあばら骨も浮き出ています。
スタッフは猫に「シンバ」と名付けました。
毛を取除き身動きが取れるようになったはずだったシンバですが、今までずっと動けなかったことから筋肉がすっかり衰えてしまったのでした。

シンバを無理に動かさず、栄養状態の改善からはじめることにしました。
しかしシンバは食べ物や水を長い間、ほとんど取らなかったために内臓が弱っているので少しずつ食事を与えてもらい世話をしてもらいました。
おかげで時間をかけて徐々にシンバは回復していきました。

スタッフのエリオットさんはシンバを24時間体制で看護するために自宅へ連れて帰りました。
エリオットさんの話によるとあんなに酷い状態に追い込まれたシンバですが、人間に対し不信感も持たず、エリオットさんをとても信頼してくれています。
愛情深いシンバに心を打たれたエリオットさんはシンバを家族として迎え、これからもたくさんの愛情を注ぐようです。
今ではシンバの毛も生えそろいこんなに可愛らしい美猫になっています。