ナタリーは軽度の神経症状を除いて健康体でした。
しかし、シェルターで暮らし始めてしばらくすると、ストレスのために今まで見せなかった行動をとり始めていました。
ナタリーはケージの中にいるとトイレを使おうとしなかったためにオムツを使わざるを得なくなっていました。
さらにときどき、グルグルと円を描いて歩くようになりシェルターのスタッフ達は心配を募らせていました。
1日も早く新しい家族が見つかればいいのですが、ハンディを抱えるナタリーは特別なケアを必要としたため、シェルターは動物水頭症協会(SHAHS)の創設者、リサさんに助けを求めました。

シェルターの相談を受けたリサさんは、それが簡単ではないと分かっていましたが、すぐにチームを組み、ナタリーの新しい家族を探しはじめました。

ナタリーには水頭症とその他の神経障害に精通し、もしナタリーに予期できない事態が起こったとしても冷静に対応でき、さらに、特別なケアが必要な猫には経済的なニーズも伴うため、ナタリーに生涯に渡って安定したケアを提供できる家族が必要でした。
一日も早く傷ついたナタリーに深い愛情を注いでくれる温かい家族を・・・そう願って懸命に探していました。

ナタリーの家族を探しはじめて2か月後。
リサさんと彼女のチームはナタリーの家族として理想的なアラバマ州に暮らすマットさん夫妻に辿り着きました。
夫妻はたくさんのペットと暮らし、中には特別なケアを必要とする動物もいます。
夫妻は過去2か月のナタリーに心を痛め、彼女の到着を心待ちにしていました。

しかし、テキサスから夫妻が暮らすアラバマ州まで、ナタリーを安全に送り届けるのは苦難の連続でした。
デルタ動物救助輸送(DART)のボランティア会員が、リサさんたちに協力を申し出てくれたのですが、悪天候や限られたフライトに阻まれてナタリーの座席を確保することがなかなかできなかったのです。
最終的にリサさんたち動物水頭症協会の尽力で座席を確保することができ、マットさん夫妻の自宅に到着したのは真夜中になっていました。

空港でナタリーを迎えたマットさんはナタリーを抱きしめ、ナタリーはマットさんの胸に手を伸ばしました。

自宅に到着した夫妻に抱かれたナタリーは、待ちに待った自分の家と新しい友人たちの歓迎を受けてすべてが救われました。

もともと社交的だったナタリーは本来の彼女を取り戻し、すっかり家族に溶け込むことができました。
夫妻はナタリーをナッツとニックネームで呼ぶようになり、ナッツは夫妻から離れようとしませんでした。
自分の家で新しいママ、ペギーさんとお昼寝するナッツは安心しきった寝顔を見せてマットさんを幸せにしました。

ナッツは元の飼い主さんのかかりつけの獣医さんに診断され、神経科医に正式に診断されたことがありませんでした。
マットさん夫妻は専門医の詳しい検査を受けるため、ナッツをオーバーン大学病院へ連れて行くことにしました。
夫妻に愛情を注がれしっかりと身守られるナタリーは、より安心して暮らせるようになります。

リサさんに助けを求めたシェルターのスタッフ達は、テキサスからなかなか旅立つことのできないナタリーのために勤務時間を過ぎてもずっと寄り添っていてくれたそうです。
そして、マットさん夫妻とナタリーを結んだリサさんたちの活動がなければナタリーの今の幸せはなかったでしょう。
飼い主さんとの辛い別れを経験し、哀しみの中で激変した環境に苦しんだナタリーでしたが、彼女は支えてくれるたくさんの人に恵まれました。
ナタリーの穏やかな寝顔はきっと彼女を支えた人たちを満たしてくれるでしょう。