ある日、たくさんの猫が暮らしている家に1匹の野良の子猫がやってきました。
家の中を見て悲しそうに鳴いている子猫を住人の女性は網戸を開け家の中へ入れてご飯をあげると余程お腹が空いていたのかすぐに平らげてしまったのです。
それからお風呂へ入れて体をキレイにしてあげました。
お腹が満たされ、体をキレイにしてもらった子猫は用意してもらった温かなベッドですぐに眠りに落ちてしまったのです。

次の日、動物病院で診察してもらうと子猫の健康には問題がないことが分かりました。
女性は既に複数の猫を飼っていたのですが、子猫の可愛らしさに負けてしまい家族の一員として迎え、名前を「ビンクス」と付けました。

ビンクスはたくさんの先住猫たちとの生活が始まりました。
中でもビンクスは16歳の老猫である「ニッケル」に懐いています。
ニッケルもビンクスを気にかけ、数日経つと2匹は本当の親子のようにいつも一緒にいます。
ニッケルはビンクスに本当の子どものようにたくさんの愛情を注いでいます。

そんな生活が1ヶ月ほど続いたのですが、突然ニッケルが亡くなってしまったのです。
ビンクスは毎日ニッケルを探し、ニッケルと一緒にいた場所で待ちながら小さな声でニッケルを呼ぶように鳴き続けました。
女性はビンクスを抱き寄せ
「そんなに悲しまないで。そんな顔していてもニッケルは喜ばないよ。私も悲しいけど、ニッケルが天国で安心して暮らせるように笑顔で頑張ろう。」
と語りかけました。

さらに女性は言います。
「ビンクスがやってきたのはきっと偶然ではなく、ニッケルがビンクスを呼び寄せ、自分が居なくなる前にすべてを彼に託そうとしたのだと思っています。」
「2匹は1ヶ月ほどしか一緒に過ごせませんでしたが、オス猫とはいえお母さんのようなニッケルの愛情や優しさをビンクスは受け継いでいます。」
「ビンクスがいる限り、ニッケルは彼の中でずっと生き続けているのです。」
ビンクスはその後も女性の元ですくすくと成長し、女性が新しい子猫を家族に迎えるとたくさんの愛情を注いでいます。

あれから数ヶ月経ち、ビンクスはふわふわのしっぽを持つ美しい猫になりました。
これからもニッケルのように子猫たちの母猫のような存在に成長していくのでしょう。
ニッケルが亡くなったときに女性も深い悲しみに打ちひしがれていたといいます。
悲しむビンクスを励まし、女性もビンクスの存在に励まされ救われたようです。
女性はいつも寄り添ってくれるビンクスを恋人だと、そしてビンクスとの出会いに不思議な力を感じると言っています。
女性を守るためにニッケルとビンクスが一役かったのでしょうか。
猫にはテレパシーがあるとも言われます。
やはり不思議な力が備わっているのかもしれませんね。