地下室は汚水に汚れ、ゴミや汚物、ジャガイモが散乱し、その中に猫の死体がありました。
見たこともない劣悪な状況の中で、私はかすかに聞こえる鳴き声に気付きましたがはじめはネズミかと思いました。
すぐに違うと感じて夫と鳴き声を頼りに探すと、棚に置かれたゴミ箱の影に小さな子猫たちを見つけました。
母猫はより安全な場所に子猫たちを隠していたようです。

しかし5匹の子猫はすでに亡くなり、衰弱した白い子猫の上に横たわっていたグレイの子猫が弱々しく鳴いていたのです。
2匹の身体は冷え切っていました。
私は子猫たちを温めようと着ているシャツの中に2匹を抱きました。

私たちは2匹のオスの子猫にそれぞれグレイ・ホークとホワイティと名前を付けました。

衰弱の激しいホワイティはその後も数回動物救急病院へ通わなければなりませんでした。
グレイ・ホークは少しずつ体重を増やしていましたが、ホワイティの体重は一向に増えず、容体は不安定なままいつ急変するか分からない状態が続きました。

今、子猫たちに必要なのは、母猫のぬくもりではないか・・・そう考えた私たちは、母猫の代わりになってくれる出産したばかりの猫がいないか探してみることにしました。

すると、ある家族から力になれないかと連絡をもらいました。
家族の話によると、最近保護し、ヌビーと名付けた野良猫は生後間もない子猫を全て亡くし元気を失ってしまっているといいます。
彼らはヌビーなら役に立てるのではないか、そしてヌビーも子猫の力になることで元気を取り戻せるのではないかというのです。
私たちは家族の申し出をありがたく思いました。

ヌビーを2匹と引き合わせると、彼女は早速ホワイティの身体を舐めてきれいにし始めました。
ヌビーは2匹を前にして、よりお世話が必要なのはホワイティだと理解しているようでした。
ヌビーは2匹を抱きしめ、特にホワイティの傍にいつも寄り添って彼女のぬくもりで包み込んでくれました。

驚いたことに、グレイ・ホークとホワイティはヌビーに抱かれ、常に彼女のぬくもりに包まれると格段に状態が好転していったのです。

ホワイティの体重は徐々に増え始め、グレイ・ホークは丸々として共に体にエネルギーが戻っていきました。
ヌビーは2匹にトイレの使い方を教え、ドライフードの食べ方も伝授しました。
離乳した2匹は遊びを覚えて部屋の中を探検するようになり、しっかり遊んだあとはヌビーに抱きついてママのぬくもりの中で一緒に眠りました。

ヌビーと出会えた2匹は彼女に愛情を注がれて命を繋ぎ、順調に成長することができました。
そしてグレイ・ホークとホワイティはヌビーに愛情を注がれることで彼女に元気を取り戻させていました。
ヌビーは2匹の成長に心を満たされ、誇りに思っているようでした。
ヌビーは彼女を待っている家族のもとへ帰る時期を迎えました。

ヌビーが家へ帰ったちょうどその頃、グレイ・ホークとホワイティは私たちと暮らしてきたウォルターと出会いました。
ウォルターはシェルターで安楽死のリストにあげられていたところを私たちが家族に迎えた猫です。

ウォルターは初対面のホワイティに優しく挨拶のキスをしました。
ウォルターはすぐに2匹をとても可愛がるようになり、いつの間にかグレイ・ホークはウォルターに抱かれて眠るのが大好きになっていました。

私たちは時期が来たらグレイ・ホークとホワイティに新しい家族を探すつもりでいました。
しかしウォルターと出会った2匹は、そのとき永遠の家を見つけてしまいました。
ウォルターと絆を結んでいく2匹を私たちはどうしても引き離すことができませんでした。
グレイ・ホークとホワイティは、ウォルターとともに私たちの家族として暮らしています。

母猫が必死に守ろうとしていた子猫たちは、彼らに愛情を注ぐ猫たちとの出会いに恵まれて今も成長を続けています。
私と夫はこれからの3匹が楽しみでなりません。