当時高校生だった私と母は、数匹の子猫の家族を探している人と会いました。
私は可愛い子猫を気に入ったのですが、母は違う猫を気に入っていました。
それはモジャモジャの毛で覆われている上に、色がまばらで埃をかぶったように見える子猫でした。

母は最終的にモジャモジャの子猫を選びシミナと名付けました。

成長するにつれ、シミナの外見はどんどん変化し始めたのです。
モジャモジャだった毛がどんどん抜けはじめ、生えているところがまばらになっていきました。
私たちは軽く騙されたような気持でしたが、それはそれで可愛いと思っていました。
でも、家を訪れる人は違いました。

シミナをたまにしか見ない彼らは、外見が変化していくシミナを醜いと感じているようでした。
中には悪い突然変異ではないかと言う人もいました。

4年以上に渡り、シミナの姿は変化し続け、お腹の部分にモジャモジャした毛が伸び、他の部分の殆どの毛がなくなって桃の産毛のような毛が少し生えている今の姿で落ち着きました。
おそらくシミナは、スフィンクスと何かのミックスだと思われました。

それでも私たちはシミナを可愛いと思ってきました。
だけど彼女は外見だけでなく、中身もかなり個性的に成長していたのです。

シミナはアイスクリームが大好きで、乳製品が猫のお腹に合わないことを全く気にしませんでした。
勿論、私たちはシミナが欲しがってもたまにしか与えません。
彼女にはもうひとつ夢中になったお菓子があります。
子供用のキャンディ・バーです。
シミナはアパートのどこかの部屋でキャンディ・バーの袋が開けられる音を聞き逃しません。
その音が聞こえると家の中を走り回るのです。

家族の中でシミナと一番一緒に過してきたのは母ではなく私でした。
夜寝るとき、シミナは私の傍で眠るようになったのです。

シミナが家に来た頃、彼女は人間の男性が苦手でした。
私の弟を見るといつも隠れて彼の様子を陰からじっと見つめていました。
シミナはそうやってずっと長い間弟を観察していました。
シミナが弟と普通に接するようになるまでかなりの時間が必要でした。

でもシミナはほとんどの点で普通の家猫と全く変わりはありません。
オモチャで遊んだり、私たちに抱きついたり、クローゼットの中で古い服に埋もれて潜んでいたり。
その上私たちがシミナに注目してほしいときに無視したり・・・(私たちがキャンディ・バーを持っていない限り)
そしてさっきまで甘えていたかと思ったら、突然気が変わったように爪を立てて威嚇したり。

それから私と母は、シミナのお手入れにはとても気を使いました。
私たちは1日2回、ブラッシングをして目ヤニを取り除きました。
シミナは始めた会った人に、そのちょっと変わった外見が汚れているように見られていたからです。

人から見れば、ちょっと変わった外見をしているかもしれません。
ちょっと手のかかる猫かもしれません。

でも、私にとってのシミナはその外見に関係なく地球上で一番愛おしく、一番かわいい猫になりました。