マーティが子猫を見つけたとき、辺りに母猫の姿は見つけられなかったそうです。
子猫たちは灌木の枝が絡み合った視線より上の方で見つけたそうです。

マーティは氷のように冷たくなった3匹を温めていました。
『ミルクをあげられないかしら?』
私はマーティに与え方を教えました。
彼女は新生児にミルクを与えるために必要なものすべてを買いそろえ、インターネットで看護の方法を教えるビデオを見つけてそれも参考にしました。
マーティはその夜、一晩中子猫の看護にあたってくれたのです。

翌日の夜、自宅に戻った私はマーティから3匹を受け取りました。
3匹の身体はまだ冷たく、少し硬いような感じがしました。
マーティは両手で子猫を包み、私に手渡すとき子猫たちに祈るようなキスをしました。
『見つけたとき、まるで死骸のような臭いがしたの。』
3匹の容体は予断を許さない厳しいものでした。
私は救命看護師の夫に協力してもらい、早速看護を始めました。

私はマーティに付いて、子猫たちを見つけた藪を見に行きました。子猫たちが居た場所には血痕が残っていました。
母猫は何らかの理由で出産直後に子猫たちの傍を離れなければならなかったと推測されました。
それは、子猫たちがその後の免疫力を左右する母乳を一度ももらえなかった可能性が高いということです。

母猫は子猫たちのところへ戻って来るかもしれない・・・
私は地元の保護グループに連絡を取り、子猫たちが見つかった場所に捕獲用のケージを設置してもらいました。
しかし捕えられたのは大きなオスが1匹だけ、子猫たちの母猫を見つけることはできませんでした。

私たちは3匹にベーグル、スパッド、パンケーキと名前を付けました。
一番小さなベーグルは食欲のある兄弟に比べ、なかなかミルクを飲もうとはしませんでした。
私と夫はベーグルにチューブを使ってミルクを与えることにしました。
すると、ベーグルがミルクを飲み始めたのです。
最初にミルクを飲みこむ音を聞いたとき、私は心地よい音楽を聞いたときのように心が揺さぶられて涙がこぼれました。

ベーグルは少しずつ体重を増やし、同時に体に力が戻っていきました。
3匹は生後間もなく母猫のぬくもりから引き離されたせいなのか、より温かさを好んでいるように感じました。

私は保護グループに捕獲器を要請して以来、その後も母猫の保護を諦めてはいませんでした。
しかし、数匹の猫が捕獲され避妊・去勢の手術を受けましたが、どうしても母猫を見つけることはできませんでした。

その後も少しずつ体重を増やし、順調に離乳を迎えたベーグルたち兄弟は、お皿いっぱいの離乳食を自分で食べられるようになっていました。
彼らは大きくなるにつれてそれぞれの個性を発揮し始めました。
意外にも一番小さなベーグルは、兄弟よりも冒険好きな頼もしい一面を持っていました。

生後1か月を迎えた頃、3匹は体重を450gまで増やすことができました。
私と夫はお祝いの飾りつけをして彼らの成長を祝福しました。

そして、2か月を過ぎた頃、3匹はそれぞれ永遠の家を見つけて私たちのもとを元気に旅立って行きました。

ベーグルが迎えられた家には、彼女と同じブラウン・タビ―(キジトラ)の先住猫3匹が待っていました。
中でもオリバーは小さなベーグルを一目で気に入り、傍に寄り添ってくれているようです。

マーティと愛犬が見つけてくれた3匹は、母猫のぬくもりから引き離されていましたが、マーティの厚い看護や夫の協力を得て命を繋ぎ、それぞれの幸せを掴むことができました。

ベーグルは今も小柄ですが、彼女はとても力強く生き生きと暮らしています。