子猫たちの母猫は見当たらなかったそうですが、おそらく、出産に安全な場所を探しているうちに修理を待っていた車のエンジンルームを選んだようでした。
24時間体制のお世話が必要な子猫たちのためにシェルターから私が養育を引き受けることになりました。

ところがお世話を始めてわずか数日後のことです。
哺乳瓶でミルクを与えていた私は子猫たちが食欲を無くしていることに気付き、それは彼らの好き嫌いとは関係ないと感じました。

獣医師の診断は汎白血球減少症、一般的に猫ジステンバーとよばれるウィルス性の感染症でした。
感染力が強く、年齢が若いほど致死率の高い恐ろしい病気です。
潜伏期間があるため、誰も気づくことができなかったのです。

食欲を失くしてしまった子猫たちに私はチューブを使ってミルクを与えました。

私は眠れない夜をいくつも過ごして必死の看病を続けました。
しかし僅か1週間ほどの間に6匹のうちの5匹が次々と亡くなってしまったのです。
私は何度も心が砕けそうになりました。

しかし兄弟の中で唯一のメス、アシュビーは私の最後の希望でした。
私はアッシュビーの命を守るために最善を尽くそうと毎秒を大切にしました。

小さなアシュビーはもっと強くなることを望んでいました。

アシュビーは私の手に頭を擦りつけるのがお気に入りでした。
毛布の上でお腹を見せながらまるで羊の子のように鳴き、おしゃべりをしました。
私がアシュビーの部屋へ入ると、彼女は毛布を敷き詰めた専用のベッドから下りて来て私を出迎えてくれました。

アシュビーの生きたいという意思の強さは私を驚かせ、子猫たちを失い沈みそうな私を奮い立たせるのに十分でした。

私は虹の橋を渡った5匹、ヘイワード、ロッキー、グレン、ブルーノ、マッカーサーに敬意を表してアシュビーの部屋の壁に5つの小さな足跡を飾りました。
すると、アシュビーはその壁をじっと見つめていました。
彼女は兄弟に見守られていると感じたのか、とても穏やかな表情をしたのです。

アシュビーは生後6週を迎えることができました。
しかし、彼女の大きさは平均よりかなり小さく、生後3~4週の大きさしかありません。
それでもアシュビーはその体にエネルギーを増やし、オモチャで遊ぶようになっていました。
私はそんなアシュビーが誇らしくてなりませんでした。

小さなアシュビーはよく食べ、遊び、よく眠り残りの時間は普通の幸せな子猫と一緒でした。
アシュビーは平均よりまだ小さいけれど、とても甘くて私と一緒に過すのが大好きです。
日ごとに遊び心が増えていて、私の注目と愛情を求めて驚くほど元気な声で鳴きました。

6月のはじめ、アシュビーはウィルスの検査を受け彼女の身体には既に存在しないことが確認されました。
アシュビーを知る人がみな大喜びしました。

アシュビーにはこれから全く新しい世界が待っています。
アシュビーは小柄な少女のままですが、彼女は侮れない力を持っていました。
誰も助からないと思っていた小さな少女はしっかりと未来だけを見詰めていて、いまも成長を続けています。