子猫は歩道の上に姿を現し、私の方へ歩いてきました。
怯えた様子を見せず、ただ、とても汚れていてクシャミを連発し鼻水が止まらないようでした。
お腹が空いていることはすぐに分かりましたが、とにかく病院へ連れて行こうと思いました。

子猫は生後約5週のメスでした。
獣医さんの診断では呼吸器と目に感染症を患い、子猫の身体はダニに覆われていました。
獣医さんは子猫に必要な治療を全て施し、薬を処方してくれました。

思わぬ出会いでしたが、もし、私があの場所に居なかったら子猫は命を落としていたかもしれなかったのです。
幸いなことに子猫の感染症は数日で回復に向かいました。

そして私は、看病するうちに子猫がとても愛おしくなりました。
私は一緒に暮らすガールフレンドと子猫を家族に迎えることにしました。
名前はマーゴットにしました。

マーゴットは私やガールフレンドの膝の上で気持ちよさそうな寝顔を見せてくれました。
マーゴットはママのぬくもりを私たちの膝の上で思い出していたのかもしれません。
ふかふかの毛布の感触も、私たちの指の感触も彼女を温めていたのだと思います。

元気を取り戻したマーゴットは部屋の中にあった私のスケボーに興味を持ちました。
そしてあっという間にスケボーに乗って遊ぶことをマスターして見せました。
活発なマーゴットでしたが、もうひとつのお気に入りはまるで人間の赤ちゃんのように私たちに抱っこされて私たちの注意と眼差しをひとり占めにすることでした。

家の中でいつも中心にいるマーゴットは私たちがどこかへ出かける準備をすると、準備中のバッグに入り私たちを見上げます。

『私も一緒でしょ?』

私たちはその目に逆らうことはできません。

マーゴットとの出会いからあっという間に1年が過ぎ、彼女は立派な大人に成長しました。
マーゴットは私とガールフレンドに厚い信頼を置いてくれています。
彼女は私との出会いが自分の命を救ったと分かっているようです。

私がパソコンに向かって集中しているとき、マーゴットは私の腕に前足を置いてずっと寄り添ってくれます。
そして今も、部屋の中のスケボーで遊んでいます。

常に私たちの傍にいるマーゴットに出会えたこと、彼女にふさわしい命がここにあることを幸せに感じています。