アラと呼ばれ、80匹の猫たちのために危険を顧みず、アレッポの町にとどまっているジャレルさんは、猫のスペースとは別に施設の一角にアミラの場所を確保してあげました。
しばらくして出産が始まったアミラでしたが、残念ながらどの子も死産だったのです。

深い哀しみとショックのために元気を失ってしまったアミラ。
彼女を心配したアラはアミラが抱きしめるために2匹のテディ・ベアを側に置いてあげました。
するとアミラはテディ・ベアを抱いて横たわるようになりました。

その後体調が戻ったアミラは再び通りへ戻っていき、週に数回施設を訪れるようになりました。

そんなとき、アラは施設の近くで生後間もない小さな子猫を保護しました。
ひとりぼっちで見つかったその子猫はジュニアと名付けられました。
施設の人たちに育てられ、ジュニアは順調に成長し仲間の猫たちともうまく馴染んでいきました。

施設の屋外で過ごすようになったジュニアは、時折施設の入り口近くにいるアミラに興味を持ち始めました。

ある日、ジュニアは意を決し入口に横たわっていたアミラに近付いて行きました。
ジュニアとアミラを気にかけてきたアラは2匹の様子をそばで見守っていました。

はじめは恐る恐る近付いていたジュニアでした。
ジュニアに気付いているはずのアミラは、あまり気にした様子を見せません。

すると、ジュニアは大胆にもアミラの背中に乗り始めたのです。
それでもアミラはジュニアのしたいようにさせていました。

そのうちジュニアはいつの間にかアミラの腕の中に潜り込み、アミラはジュニアを受け入れました。

2匹の様子を見守っていたアラはなんとも温かな気持ちになりました。
『傷ついていたアミラの表情が柔らかに微笑んでいるように見えました。』

その後も週に数回施設を訪れるアミラを迎えるために、ジュニアは施設の入り口で待っています。
アミラはジュニアに会うのを楽しみにしていて、2匹はひとつの器からご飯を食べ、遊び、ジュニアはアミラの腕の中に抱かれてお昼寝をしています。

お互いのぬくもりに支えられているアミラとジュニアの姿は、見守る周囲の人たちの心を温めています。

内戦で一度は破壊された施設を再建し、常に危険にさらされながら猫たちと暮らすアラにとってもアミラとジュニアの間に育まれる絆は深い喜びを与えてくれました。
2匹の幸せがいつまでも続いてほしいですね。