ママ・サディはタキシードの子猫を1匹、白い子猫を6匹出産しました。
兄弟の中で最も小さく生まれたオパールとココナッツは、体が小さく少し元気がありませんでした。
ママ・サディには人間の手助けが必要だったため里親のホリーさんに自宅でお世話をお願いし、2匹には2日間時間ごとのミルクが与えられました。
そのおかげでオパールとココナッツの2匹はとても元気になりました。

真っ白に生まれた猫には聴覚障害を抱える可能性があるというデータがあります。
あるデータでは真っ白で両目ともブルーの目の場合は50~80%、オッドアイの場合20~40%、ブルーの目でない場合でも約20%の確率だといいます。
ママ・サディの子猫のうち6匹は真っ白だったため、施設はホリーさんに子猫たちの聴覚の確認をお願いしました。

生後数週間を迎えた頃、ホリーさんはあることを試してみました。
子猫たちが全員お昼寝を始めたときです。
ホリーさんは子猫たちの傍まで近づいて掃除機のスイッチを入れました。
すると、7匹の子猫たちのうち、オパールとココナッツそして一番体格のいいイエティは全く反応せずそのまま眠り続けていました。

ホリーさんは熟睡している子猫たちの頭の上で、彼らが大好きな音が出るオモチャを鳴らしてみました。
やはりその時も3匹は反応しませんでした。
ホリーさんが部屋の中でわざと大きな足音を立てて歩いたり、拍手をしたりしたときも3匹だけは何も反応しなかったのです。

ホリーさんは彼らの寝顔の前に自分の手を置いたり、ウェットフードの缶を開けて匂いを嗅がせました。
すると、全員が鼻をぴくぴくさせて目覚めたそうです。
ホリーさんは3匹が音にだけ反応しないことを確かめました

イエティ、オパール、ココナッツの3匹は耳が聞こえないこと以外ほかの猫とまったく変わりはありませんでした。

しばらくすると、オパールとココナッツ以外の兄弟はそれぞれ新しい家族のもとへ次々に旅立って行きました。
オパールとココナッツは小さく生まれたために引き取り先を探すための準備に入るにはもう少し成長を待たなければならず、そのままホリーさんの自宅にママ・サディと一緒に残ることになりました。

2匹は生後間もなくから兄弟の中でも特に結びつきが強く、何をするにもお互いに寄り添いあってきました。
傍で見守ってきたホリーさんは、『どう説明したらいいのか分かりませんが・・・』聴覚を補うために鋭く、敏感な感覚を磨いて成長する2匹に日々驚かされると話しています。

『オパールがココナッツの視界から離れてしまうとココナッツはオパールを探して鳴きだします。
哀しいことにオパールはココナッツの鳴き声が聞こえないし、ココナッツもオパールが彼を呼んでいるのが聞こえないのです。』
ホリーさんは、2匹を一緒に引き取ってくれる家族が見つかることを強く願っています。

7匹を生み、懸命にお世話をしてきたママ・サディは5匹が旅立った後、少し体を休めることができました。
彼女はどちらかと言えば人懐っこい方ではなく、人との間に距離を置いて過ごしてきました。
ホリーさんの自宅には犬や猫、ハリネズミが家族として暮らしていますが、ママ・サディは彼らともあまり関わろうとはしませんでした。

『ちょっと内気だけど、彼女は右側からそっと近づくと撫でさせてくれるし、家族を見守るのが好きなの。
それに鳴いたらとても可愛いのよ。』

5月のはじめ、ママ・サディは本格的に新しい家族との出会いを求めて保護施設(Purrfect Pets - Cat Adoptions)に戻ることになりました。
出産した母猫は子猫たちに遅れ、最後に引き取られることが少なくありません。
施設は5匹を送り出したママ・サディに少しでも早くチャンスが訪れるようにと願ったのです。

7兄妹の中で最も小さく生まれ、同じハンディを抱えたオパールとココナッツには強い絆が生まれました。
成長するにつれ、ますます絆を深めていく2匹の姿は周囲に笑顔を運んでいます。
ホリーさんが発信するSNSでも寄り添いあう2匹の姿に、『どうか2匹を引き離さないで』と願う人たちのコメントが次々に寄せられているようです。
優しくあたたかい家族が見つかるといいですね。