子猫たちを建物へ運び、母猫の一家が暮らす同じエリアに置きました。

タキシードと薄いグレーと白の子猫は、恐らくつい最近まで世話をされていたのでしょう、とてもきれいでした。
離乳はしていますが、まだまだ母猫に甘えたい盛りです。
母猫のぬくもりがあれば・・・そう思いました。

2匹にごはんを持って行くと、お腹が空いていたようでお皿の上に上ってかぶりついていました。
子猫たちはこの場所を嫌いではなさそうでした。

建物には子猫を育てる母猫がたくさんいます。
私は家族の事情で自宅に猫を飼うことができません。
なので1日2回、子猫たちにミルクを与え、手当が必要な猫がいたらその世話をしています。

2匹の様子を見に行くと、じゃれ合って遊んでいました。
気が付くと、母猫の一家の子猫が夢中でじゃれ合う2匹をじっと見ていました。

直接接触するのもきっともうすぐだと思いました。

するとその後すぐに子猫たち同士が初めて接触しました。
母猫の子供たちは、小さな新参者に背中を膨らませて威嚇しました。
2匹は怯えていましたが、受け入れそうだと思いました。

数日後、母猫と接触する子猫たちを見ることができました。

2匹は母猫に少しずつ近付いて行きました。
しかし母猫は思い切り威嚇して、子猫たちを近付けようとはしませんでした。
母猫の猛烈な威嚇に、耳が寝て腰が引けてしまった子猫たちはそれ以上近付くことはできませんでした。

2匹は仕方なく、遠巻きに一家を見詰めていました。

そして2匹は諦めていませんでした。
その後も何とか母猫に近付こうと試み、そのたびに猛烈な威嚇を受けていました。
タキシードの子猫は母猫のミルクをもらいに果敢に近づき、母猫に気付かれてすんでのところで猫パンチをお見舞いされるところでした。
白とグレーの子猫も母猫のお腹に近付こうとしたのですが、気付いた母猫に押し返されてしまいました。

何度も何度も拒絶された子猫たちは、仕方なく私が用意していたミルクやごはんを肩を落として食べていました。
かわいそうですが、私は2匹が諦めなければ愛情深く子育てをしているこの母猫ならきっと受け入れてくれるときが来る、そう信じていました。

母猫は相変わらず近付くことを許しませんが、2匹も諦めることはありませんでした。
日が経つにつれ、母猫の拒絶は柔らかくなり、次第に声だけになっていきました。

しかし、強引に潜り込んだ2匹の毛繕いをしていたかと思うと、突然2匹に向かって猛烈な威嚇をします。
少しずつ距離は縮まっているのですが、まだ完全に心を許したわけではないようです。

先に心を開いたのは彼女の子猫たちでした。

2匹を連れて来て3週間余りが経った頃、彼女の子猫たちは2匹を交えて遊ぶようになっていました。
お互いに毛づくろいをして、子猫たちが固まって座るときは、自分たちより小さな2匹を守るように囲んで座る様子も見られるようになりました。
一家の子猫たちは母猫より先に2匹を家族と認めてくれたようです。

子猫たちを連れて来て約1か月。
ようやく母猫は2匹の子猫を家族として受け入れてくれました。

兄弟よりも小さな2匹は、いつも母猫に一番近いところにいるようになりました。
母猫にキレイにしてもらったり、抱きしめてもらえるようになっています。
子猫たちの甘えたいと言う純粋な気持ちに母猫は応えてくれました。

建物には出産のために現れる猫がたくさんいます。
どの猫も懸命に子育てをしています。
大人の猫たちは自分で狩りをしてお腹を満たしていますが、全部の子猫が十分にお腹を満たすのは少し難しいようです。
私は、子猫たちが独り立ちするまでを見守っていますが、子育てをする母猫たちの愛情深さとたくましさ、子猫たちのたくましさにいつも心を動かされています。

一家の仲間入りを果たした2匹もいずれ、ここを旅立って行くでしょう。
元気に育ってほしいものです。