私たちはブルックリンの通りで暮らす猫たちにTNR(trap, neuter, return:捕獲して避妊・去勢し元の地域に戻す)を行っています。
当時の私たちは自宅で6匹の子猫の世話をしていて、トラップもキャリーケースもすべて使用中で手元には何もありませんでした。

子猫は以前からマークしていたコミュニティの中の1匹でマニと呼んでいました。
彼女はいつも兄妹のフェティ、ストームと一緒でした。

歩道に見つけたとき、マニの目は重度の感染症のためにほとんど開けることができず、左目は輪郭が歪んで見えるほど膨れていました。
保護する準備は何もない状態でしたが、マニをそのままにはできませんでした。

マニの左目は破裂寸前にまで膨れ上がり、右目も目ヤニで塞がっていました。
痛みと不快感はマニの気力と体力を奪い、食べることもままならない状態だったのです。
獣医師と獣外科医に診察を受けたマニの左目は、残念ながら摘出するしかなく、マニは手術に耐えられるまでの体力を回復しなければなりませんでした。
抗生物質などの薬とは別に数時間ごとの注射と経口の栄養剤を処方されたのですが、この栄養剤はかなり効果を発揮しました。

8月22日、マニの左目は無事に摘出され彼女は私たちと一緒に帰宅しました。
食欲のないマニのために私と妻はシリンジの流動食と水分補給のための注射を時間ごとに与え続けました。

しばらくすると、子猫用の離乳食や柔らかいベビーフードを食べられるようになり、気分がよくなっているのが分かりました。
マニは少しずつ回復に向かって行きました。

マニを保護したあの日、コミュニティでご飯をあげていたとき、私はマニの兄フェティの左目にも重い感染症があることに気付きました。
マニを連れて帰った後、私たちはなんとかトラップの都合を付けて再びフェティの保護に向かいました。

コミュニティへ戻ったとき、私たちはフェティを見つけることができませんでした。
しかし、建物の窓枠に座る妹のストームを見つけ、その足元の草むらにフェティが潜んでいると確信しました。
フェティの目はほとんど開いておらず、妹のストームがいつもそばに寄り添って彼をガードしていたからです。

トラップを仕掛けフェティの捕獲を試みたとき、ストームにとって幸運なアクシデントが起きました。
ストームと一緒に姿を現したフェティは、ストームに誘導された形で一緒にトラップに入って行ったのです。
フェティを守り続けていたストームは、兄を保護するために仕掛けたトラップで過酷な通りの暮らしから抜け出すチャンスを掴みました。

マニの手術から4日後の8月26日、フェティもまた左目の摘出手術を終えました。
私の自宅には6匹の子猫に加え術後のマニがいたため、手術を受けるフェティとストームを獣医師の友人が一時的に預かってくれることになりました。

フェティは術後、二次感染を起こして回復にかなりの時間を必要としました。
しかし、彼らを預かってくれた友人のおかげで厳重に見守られ、さらにずっと彼を守り続けていたストームが寄り添い、フェティを支え続けていました。

幸運にも私の自宅にいた6匹の子猫たちのうち、4匹に引き取り手が決まり、フェティとストームは友人宅から我が家へと移すことになりました。
我が家で再会を果たしたマニとフェティ、ストーム。
これから3匹には安全で飢えることのない人間との暮らしに慣れてもらわなければなりません

9月26日、フェティはようやく抜糸を終えストームと思い切りじゃれ合えることを喜んでいました。
私と妻は、回復に時間を要したフェティが、普通の子猫と同じように遊ぶ姿をずっと待っていました。

そして、この6週間の間にマニ、フェティ、ストームの3匹は人間との暮らしも悪くないと感じてくれたようです。
マニは夜眠るとき、妻の頭の傍で眠るようになっていました。
3匹ともベッドやカウチで撫でてもらうのが大好きになりました。
そして、私や妻が歩くと嬉しそうに喉を鳴らして走ってくるようになっていました。

11月11日、フェティとストームが新しい家族のもとへ旅立って行きました。
ある女性が2匹を一緒に引き取りたいと連絡をくれたのです。

いつも支え合っていた2匹はもう2度とブルックリンの通りへ戻ることはありません。
彼らには愛情を注いでくれる家族と温かい家があるのです。

マニは・・・
フェティとストームが旅立って行った1週間後、私たちはマニを家族に迎えることを決心しました。
今までにたくさんの子猫たちと出会い世話をしてきた私たちにとって、歩道から手いっぱいだった我が家に連れて帰ったマニは徐々に特別で大きな存在へと変わっていきました。
家族を探せる時期になったとき、私と妻はどうしてもマニを手放せなくなっていました。

Flatbush Catsの活動は地元の通りから野良猫の姿をなくすことを目標としています。
何年もの時間が必要だと思っていますが、必ず実現させます。
ブルックリンの街に限らず、通りの子猫たちの暮らしはあまりにも厳しく過酷です。
マニとフェティ、そしてストームとの出会いは2017年の活動の中でも最も印象に残る出会いとなりました。