the Odd Cat Sanctuaryはケガや病気、障害のために特別なケアが必要な猫を受け入れる施設です。
フェニックスと名付けられた生後約6か月の猫は、耳が完全に凍った状態で発見され、まるで引きちぎられた布のように欠けてしまっていました。
身体には時間のたった傷が無数に見つかり、恐らく虐待を受けていたようでした。

さらに、フェニックスの目は眼瞼欠損と呼ばれる先天的な異常を抱え、とても乾燥しやすく感染症のリスクが高い状態でした。
幸い、フェニックスの状態は軽度だったため乾燥を防ぐ点眼剤を使えば視力などに問題はありませんでした。

しかし、凍てつく冬の町に捨てられていたフェニックスの身体はとても痩せていて、治療と同時に傷ついた心を癒すための十分な休養が必要でした。

フェニックスの耳のダメージは幸いにも外だけにとどまり、聴力に影響を及ぼしてはいませんでした。

フェニックスが治療を始めて数週間が経ち、順調な回復をみせていたころ、施設を運営するテラさんは、耳と目に加え、虐待で受けた傷の残るフェニックスに通常よりも長い時間を費やすことにしました。

平均よりも小さなフェニックスは、元の飼い主の家でも決して幸せではなかったはずでした。
テラさんはフェニックスの傷から、彼女が負った心の傷は計り知れないと感じていたのです。
タラさんは施設の里親さんの力を借りて、フェニックスにたっぷりの愛情を注ぎ、時間をかけて彼女を見守り続けました。

タラさんや里親さんの尽力に応えて体力を回復したフェニックスは避妊手術を受け、新しい家族を探し始めました。

フェニックスが保護されたときから施設のインスタグラムでずっと見守っていた一人の男性がいました。
ビル・カゲシャルさんはフェニックスの家族募集が始まると、早速施設へ連絡を取り、引き取りの申請書を提出しました。

施設ではじめてフェニックスと対面し彼女を抱き上げたとき、ビルさんは一目惚れが間違いなかったと確信しました。

ビルさんの家にはレディ・サンサ、リル・ベッカ、スタニスと3匹の猫が待っていました。
2月10日、ビルさんは、フェニックスにシャーレンと新しい名前を付け、家族の一員に迎えました。

『私は心無い人間のせいで辛い思いをしたシャーレンが、私たちを受け入れてくれるのか少し不安に思っていました。
でも、そんな不安は全く必要ありませんでした。
シャーレンは姉のようなサンサやベッカとすぐに仲良くなり、スタニフともすぐに一緒に遊びました。
今では4匹が一緒になって家中を駆け回って遊んでいます。
シャーレンは小さいけれど、一番足が早いんですよ。』

『シャーレンは食事の後、眠くなると私の膝の上や腕の中に丸くなってひと眠りするのが大好きです。
とても人懐っこく、私の家を訪れる人はすぐに彼女に心を奪われてしまいます。
普段の彼女を見る限り、小さなシャーレンが辛い経験をした猫とはとても思えません。
シャーレンは素直で愛情深い個性を持っています。』

施設で保護されたシャーレンは、身も心もボロボロの状態でした。
フェニックスという名前はボロボロだった彼女が、再び元気に蘇えるようにと願って付けられた名前でした。
ビルさんは、健康を取り戻した彼女に、第2の人生を謳歌してほしいと願い、新しい名前を付けました。

シャーレンの耳は残念ながら元に戻ることはありません。
少しだけ吊り上がって見える目もずっとこのままです。
だからシャーレンはほかの猫とは少し違って見えるかもしれません。
でも、シャーレンはビルさんが願った以上にしなやかに、自由に生きていました。