猫は小眼球症という先天的な疾患を抱えて生まれ、眼球と眼瞼が未発達の状態のために視力がほとんどありません。
2年間を野良猫として生きていた猫は十分な栄養を摂ることができず、とても痩せていました。

仲間たちと一緒に動物管理局によって保護された猫はシェルターに入れられますが、そこは保護された猫たちに溢れていました。
殆ど視力のない猫は飼い主が見つかる可能性が低いと判断され、間もなく安楽死のリストに挙げられてしまいました。

ノースカロライナにある動物保護団体Blind Cat Rescue & Sanctuaryが猫の窮状を知り、猫を救うためには彼を迎えてくれる家族が必要だとFacebookに記事を投稿しました。
記事を見たコリーンさんは、なんとか猫を助けることができないかと夫のスコットさんに相談しました。

猫を家族に迎えるためにコリーンさんは猫がいるシェルターを特定しようとWEBサイトやFacebookを使って猫を探し始めました。
4つのシェルター、10人以上の人と連絡を取りますが猫の居所を特定することができませんでした。
猫の居場所を探し始めて数日後、祈るような気持でペンシルバニア動物虐待防止協会に連絡を取ったとき、ようやく猫の居場所を突き止めることができました。

夫妻はすぐに猫のいるシェルターへ駆けつけました。

シェルターで暮らし始めた猫はその後感染症にかかってしまっていました。
獣医師に薬をもらったもののそれ以上の治療を受けることができなかったために悪化、口の中に大きな腫瘍ができてしまいました。
そのためほとんど食べることができず、ますます衰弱してしまったのです。
Blind Cat Rescue & SanctuaryがFacebookに投稿したのは猫が感染症を発症する前のことでした。
なんと夫妻が駆けつけたのはぎりぎりのタイミングだったのです。

猫を目の前にしたコリーンさんは、涙を抑えることができませんでした。
そして改めて自分が行動を起こしたことに間違いがなかったと思ったそうです。

夫妻が駆けつけたとき、猫はひどい脱水状態で鼻から出血し、呼吸が苦しそうでした。

『猫は私たちを必要としていたし、私たちもその猫が必要だと感じました。』

見えない目で力なくふたりを見上げる猫と一緒に、夫妻は自宅へと向かいました。
ケージに入って移動する間、猫はホッとした表情を見せていました。

コリーンさんたちは猫にマグーと名前を付け、できる限りの愛情を注ぎます。
マグーはあたたかい家族に囲まれた初めての自分の家での暮らしを気に入ってくれました。

衰弱していたマグーはしっかりと治療を受けられるようになりましたが、野良猫としての暮らしや、十分にお世話が受けられなかったシェルターでの暮らしはマグーの健康に深く影響を残していました。

始めの数日、マグーの体調は思わしくなく足首から点滴を打たなければなりませんでした。

しかし、コリーンさんの家に来て3日後には少しずつ回復の兆しを見せ始めていました。

腫瘍の治癒と共に自分から食べられるようになり、食べるととても満足そうな表情を見せるマグー。

『私と夫はマグーに回復しようとする強い意志を感じました。』
マグーは夫妻も驚くほどの頑張りを見せてくれたそうです。

3か月後、すっかり回復したマグーは家の中を走りまわっていました。
マグーは普通の猫と何ら変わりのない生活を送れるようになったのです。

マグーは毎晩コリーンさんたちのベッドに上がり、抱き合って眠っていました。
不自由な目を気にすることなく、キャットタワーやキャットウォークを悠々と登って遊んでいます。
マグーはコリーンさんとスコットさんの家で健康を取り戻し、愛情を注がれて、その分ちょっとポッチャリさんになって、彼らの家の王様として暮らしています。

しかし、コリーンさんはシェルターで初めて会ったときのマグーのことが忘れられませんでした。

コリーンさんは夫妻とマグーの経験を基に、ハンディを抱えた動物が新しい家屋との出会いに恵まれるようにと願い、2012年秋からSNSを通じてマグーのメッセージを発信し続けています。
さらに、野良猫として生き延びた経験を持つマグーは、捨てられるペットが1匹でも減るように、適切な避妊と去勢の必要性を訴えています。
マグーのメッセージはたくさんの人に支持されてきました。

マグーはほとんど見えない目で、窓辺から外の空気と日差しを感じるのが大好きです。
そしていつもコリーンさんやスコットさんに無邪気な笑顔を向けてくれています。