庭の方で頼りない子猫の鳴き声がしました。
家族と一緒に行ってみると、小さな子猫が1匹、庭に迷い込んでいました。
痩せていてお腹が空いているようだったので、家族がミルクを用意してあげました。

お腹がいっぱいになっても、名残惜しそうにしていたので遊んであげようと思い、テニスボールを子猫に放りました。

子猫はボールがとても気にいり、それにまるでサッカーのドリブルのようにすごく上手に遊びました。
動画はその時の子猫を撮影したものです。

満足した子猫は庭を出て高速道路の方へ向かい始めました。
危ないと思い、子猫を捕まえて実家に連れて帰りました。

近所の人に子猫を知る人がいないか訪ねて回りましたが、誰も知る人はいませんでした。

その2日後、私と妻は子猫が気に入ったのでアテネの自宅に連れて帰ることにしました。

アテネの自宅でキャリーケースから出た子猫は、自分がこれから暮らす家をとても気に入ってくれたようでした。
私たちは子猫をチルコと呼びました。

チルコは初めて会ったときからとてもフレンドリーで元気いっぱいでした。
私たちを見るとすぐに駆け寄ってきて甘えるので、私と妻はチルコから目が離せなくなりました。

家の中での暮らしにすぐに慣れたチルコは、いつも元気いっぱいで活発です。
しかしヤンチャな彼のお気に入りは私たちの膝の上でした。

私たちが腰かけるとすぐに膝に飛び乗ってかまってほしいと見上げてきました。
チルコが膝に上がってくるように、妻は以前より椅子に座る時間が確実に増えたと言って笑いました。
チルコは思い切り遊び、疲れると膝のベッドで眠りました。

私たちが仕事から帰宅すると、チルコはずっと待っていたと言わんばかりに出迎えてくれました。
私たちがテレビを見るときはいつも膝の上で丸くなっていました。

チルコのために私たちはかなりの数のオモチャを買ってきました。
ところがチルコはオモチャよりも、家具の上に乗ったり、カーテンを上ったり、家の中にあるもので遊ぶ方が好きなようでした。

それは出会ったときからナチュラルなチルコらしい好みだと思いました。

だけど、ボール遊びだけは初めて会ったあの日以来、彼が大好きな遊びでありとても上手なことに変わりはありませんでした。

しかも成長するにつれ、チルコはさらに腕を磨いて行ったのです。

私が投げるボールをしなやかな動きでキャッチするチルコを、私たちは自慢に思っていました。

一緒に暮らし始めて半年が過ぎ、チルコは立派に成長しました。

どんなに成長しても、彼の活発さや甘えん坊ぶりは今も健在です。
元気いっぱいに遊んだあとは必ず私たちの膝の上で眠ります。

実家の庭に現れたチルコは、ひとりぼっちでお腹を空かせていました。
お腹を満たした彼が立ち去ろうとしなかったとき、チルコは私たちに気付いてほしかったのかもしれません。
私たちと離れたくないと。

私と妻は、自宅で待つチルコに膝を温めてもらう時間が、なくてはならない大切な時間になりました。