バルーとの出会いは彼女がまだ小さな子猫だったときのことでした。

ある日仕事から帰ると、当時のガールフレンドが友人の子供を1週間預かることになり、そのお礼に1匹の子猫をもらってきていました。
当時の私は、あまり幸福ではありませんでした。
それに10年以上猫を飼いたいとは思っていなかったので、彼女と話し合い次の日友人に返すことにしました。

少しでも傍にいれば、私が子猫に心を奪われてしまうのが分かっていたからです。

しかしその夜、私は子猫と一緒に眠ってしまったのです。
つまり、子猫はすでに私の心に忍び込んでいて、私は抵抗することができませんでした。
それがバルーです。

バルーは私が仕事に出かけるとき、いつまでも窓から見送ってくれ、帰宅すると扉の前で待ち構えていてくれる愛情深い猫です。

少し前、バルーはいつも混乱した悲しそうな顔をしていました。
バルーのそんな顔を見て私の気分も沈みがちでした。

バルーと私の憂鬱の原因。
それはいつの頃からかバルーが毎朝私に届けてくれる彼女の贈り物でした。

朝、ベッドで目覚めるとバルーが私の胸の上にいます。
だけど彼女だけではありませんでした。
彼女の傍に小さなネズミや時には小鳥が一緒にいるのです。

私は跳び起き、バルーの贈り物と追いかけっこして窓の外へ逃がす日々が続きました。
それは2か月以上続きました。
今でも、その贈り物が朝食のためのものなのか、単なるプレゼントなのか私には分かりません。

バルーは自分の贈り物に困惑する私に混乱していました。

バルーは多分他のものなら私が喜ぶかもしれないと気付きました。

ある朝、私が目覚めるといつものようにバルーが私の胸にいます。
とても大きな葉と一緒に、です。
それから落ち葉の贈り物はしばらく続きました。
バルーは毎朝新しい大きな葉を私に贈ってくれました。

葉はいつも大きくて美しいものでした。
以前の贈り物とは違い、私はそれを手に取りました。
バルーは私が目覚めるまで胸の上で葉を銜えて待っている・・・想像しただけで彼女に感謝したくなりました。
私は横になったまま、バルーの贈り物に微笑みを浮かべ、喉を鳴らすバルーを撫でました。

私はバルーが私を喜ばせようと、毎朝贈り物を探していることに心を打たれました。
彼女の気持ちが私の心を優しく温めてくれました。

でも。
いくらきれいだとはいえ、葉や枝はそう毎日ほしいと思うものではありません。
もう十分だよ、バルーにそれを分かってもらうまで数か月かかりました。

バルーは一生懸命私への贈り物を探していましたが、私はすでに彼女から必要な時に大きな贈り物をもらっていました。

私がイライラしているとき、あるいは、ナーバスになっているとき。バルーは私を押し倒し胸の上に乗ります。
そして彼女の鼻で私の顔中にキスをするのです。

私にとってバルーの愛情を感じる一番の贈り物です。

私はバルーともう1匹の猫、そして3匹の犬と暮らしています。
彼らは私にとってかけがえのない家族です。
中でもバルーは、初めて会ったあの日に私の心に忍び込んで以来、一番の親友です。

最終的にバルーが、何かを贈ることより私に寄り添うことが一番の贈り物だと気付いたとき、バルーと私の憂鬱はなくなりました。