ケリーさんはジークを抱いて、テキサスからニューヨーク州まで飛行機で移動しました。
生後13週のジークは、このとき体重が約400gしかありませんでした。

ジークは水頭症に加え、前脚が内側に湾曲しているために4本足の歩行ができません。
さらにジークの両目は眼瞼内反症のために、成長を待って手術が必要な状態でした。

しかし小さなジークは、ケリーさんに連れて来られた施設の中でいつも生き生きと過ごしていました。
彼は4本足で歩くことはできませんが、曲がった前足の肘を使ったり、後ろ足で立ちあがり歩き回ることができました。
施設での暮らしに慣れてきたジークは、ほかの猫と同じように施設中を自由に動き回っていました。

ジークはハンディを抱えているにも関わらず、飛び跳ねたり、床をごろごろ転がったり、ほかの猫と遊んだりほかの猫と同じことをしました。
そして、ケリーさんが最も驚いたのは、洗濯籠を上ろうとしたことでした。
前足が自由に使えないジークは、その時は失敗したものの、目撃したケリーさんはいつかジークは成功させるかもしれない・・・と頼もしく思ったそうです。

ハンディを全く気にしていないジークは、この施設でとても頼りになる先輩猫と出会いました。
スーパーヒーローと名付けられた猫は2013年、地元ニュージャージーのシェルターで生まれ、生後1日で安楽死を決められた子猫でした。
そんな彼を兄弟のプリンス・オリーと一緒にケリーさんが保護しました。
重篤な水頭症を抱え、何度も命の危機に直面しながら持ち前の闘志で乗り越えてきた猫でした。
スーパーヒーローは、ジークのことを弟のように可愛がってくれました。
ジークが自分の目の届かないところへ行こうとすると、部屋へ連れ戻したり、張り切り過ぎるジークを前脚でかるくたたいて窘めることもありました。

施設で暮らすようになり、十分なご飯を食べられるジークは小さかったからだが平均に近付き、さらに元気になっていました。
ケリーさんが予想していた通り、彼は洗濯籠や網戸を登るようになり、床から120cmの高さを制覇していきました。
まだ柱を上ることはできませんが、ケリーさんはジークの成長と共にそれもきっとできるようになると分かっています。

ジークが十分に成長したとき、彼は両目のまぶたを固定する手術を受けました。
たくましく成長したジークは、決して失わなかった好奇心と行動力で人生を楽しんでいます。
彼は施設に来た小さい頃から、誰かに名前を呼ばれるとすぐに駆けつけ、スタッフを驚かせていました。
前足のハンディを自分でいかにカバーするか、ジークは行動力に加えてとても賢い一面を持っているとケリーさんは言います。

成長したジークは、今でもスーパーヒーローと親友としてきずなを深めています。
仲間たちの中で、一緒にお昼寝をするのはやっぱりスーパーヒーローでした。

好奇心と行動力でハンディを克服してきたジークは、成長しても心は子猫のときのままだとケリーさんは言います。
ジークはスーパーヒーローに見守ってもらったことを忘れてはいませんでした。
自分の後に施設へやってくる小さい猫たちに、優しいまなざしを向けるジークは、彼らにもここで暮らしを楽しんでほしいと願っているようです。

それぞれ障害やハンディを負っている仲間たちと思いやり、助け合って暮らすジーク達。
ケリーさんの施設でジークはその個性を輝かせています。