私が子猫に気付いたのはひとブロックも離れた場所でした。
子猫は精一杯の声を張り上げ、私が聞いたこともないような大きな声で鳴いていたのです。
鳴き声をたどって行ってみると、ゴミ箱の陰で1匹の小さな子猫が鳴いていました。

フラットブッシュ・キャッツはブルックリンでTNR(Trap Neuter Return またはRelease)を軸に地元の猫の保護活動をしているグループです。
子猫を保護したとき、すでに施設は猫でいっぱいでした。
それでも私は子猫をそこに置いていくことはできませんでした。

私は子猫をソニーと呼ぶことにしました。
子猫を自宅に連れて帰ると、パートナーのディビアが汚れていたソニーをお風呂に入れてくれました。
ディビアはタオルにくるんだソニーを胸に抱き、指先でソニーの顔を撫でていました。
その時、私たちはソニーがとろける瞬間を目撃しました。
ほんの1時間前、通りのゴミ箱で泣き叫んでいたソニーは、口元に笑みを浮かべてなんとも幸せそうな顔をして身を任せていたのです。
私たちも思わず微笑んでしまいました。

ソニーは鶏肉の入った離乳食をお腹いっぱいに食べ、温かい家の中が気に入って安心できたようです。

ところが
しばらくするとソニーが再び鳴き始めたのです。
ソニーはずっと鳴き続け、それはどこか淋しそうに聞こえました。

・・・ソニーは誰かと一緒にいたのかもしれない・・・
ふと、そんな気がしました。

確信はありませんでしたが、私はソニーを見つけた場所へ戻ってみることにしました。

ソニーを保護して2日後のことです。
ゴミ箱の辺りを探していると、木製のフェンスの陰にソニーとよく似た縞模様、そして同じくらいの大きさの子猫を見つけました。
一目でソニーの兄弟だと分かりました。

私はキャットフードを子猫の前に置き、食べているところを保護することができました。

子猫はとても怯えていました。
ソニーの傍に連れて行くまで、誰にも触れさせようとしませんでした。

ソニーの傍に子猫を下ろすと、ソニーは鳴き止み、子猫は私に撫でさせてくれました。
間違いなく、子猫はソニーの兄弟でした。
私たちは子猫をサルと呼ぶことにしました。

はじめは私たちに怯えていたサルでしたが、数時間の間にお風呂に入り、ソニーと一緒にご飯を食べるうちに、世話をする私たちへの緊張が少しずつなくなっていくのを感じることができました。

お腹がいっぱいになった2匹は一緒に遊び始めました。

ソニーとサルを動物病院へ健康診断に連れて行きました。

病院へ向かう2匹はかわいそうなくらいとても緊張していましたが、幸い2匹とも大きな問題は見つかりませんでした。
ただ、野生の子猫によくみられる腸内寄生虫が見つかったため、薬を処方されました。

ソニーとサルの兄弟と暮らし始めて数週間後、順調に成長する2匹はいつも一緒でした。

2匹が一緒に使うベッドは大のお気に入りで、そろってフミフミをしました。
私の脚によじ登り、活発な一面を見せるかと思えば、私の膝で抱き合う2匹はいつもお互いの毛づくろいをしていました。
何より、ソニーとサルは再会を果たして以来、一時でも離れていることはありませんでした。
私たちは、2匹がずっと一緒にいられることを願わずにはいられませんでした。

ソニーとサルは今、毎朝5時に新しいママの顔を横切って走っているそうです。

幸運なことに2匹を一緒に迎えたいという家族が現れ、彼らは一緒に旅立って行きました。
2匹は2度と飢えを心配することも、寒さに震える心配もありません。

ソニーが大きな声で鳴いていたことで、通りでの暮らしに決別するきっかけを作りました。
2匹はその絆で、生涯離れることのない自分たちの家へと導かれていきました。

ソニーとサルはすでに新しい家に笑顔を届けています。
これからも、彼ららしくのびのびと暮らし、家族の真ん中にいることでしょう。