スマッシュは、発見されたときひとりぼっちでした。
スマッシュは口唇口蓋裂といくつかの先天的なハンディを抱え、大学に運ばれたとき、上気道感染症と重度の白癬(皮膚の感染症で、毛が円形に抜け落ちることからリングワームともよばれる)を患い、自分で食べることができないほど衰弱していました。

地元の動物シェルターで獣医師兼コーディネーターとして活動しているリンゼイさんは昨年その獣医学部を卒業したばかりでした。
彼女は、衰弱しきった小さなスマッシュを見て、自宅でお世話をしたいと申し出ました。

スマッシュの重い白癬を治療するためには、1日に何度もお風呂に入れていあげなくてはなりません。
さらに時間ごとにご飯を食べさせなければならず、それは24時間体制の看護を意味しました。
リンゼイさんはスマッシュに、昼夜を問わず4時間ごとにシリンジの流動食を与えました。
それは約1か月続きました。

卒業生であるリンゼイさんの努力に大学の人たちはリンゼイさんがお世話をしやすいように獣医学部を自由に出入りできるように協力してくれました。
リンゼイさんを応援する周囲の支えもあり、しばらくすると、体力を失っていたスマッシュは流動食の入ったシリンジに手を伸ばし、両手でつかんで食べるほど体力を取り戻していました。

しかし、白癬の症状はしつこく残っていて、1日に数回のお風呂はまだ続けられていました。
お風呂が得意なほうではないスマッシュでしたが、彼女は一度も文句を言うことはありませんでした。

スマッシュがリンゼイさんと過ごす間、二人はよくテイラー・スウィフトを聴いていましたがスマッシュは気に入っていたのかもしれません。

スマッシュは自力で食事ができるようになり、状態が安定してきました。
24時間の看護の必要が無くなると、テトラさんという女性がスマッシュのお世話をすることになりました。
テトラさんの家で、愛情を注がれたスマッシュは、活発に遊ぶことができるようになりました。
白癬が完治し、健康を取り戻したスマッシュはいよいよ新しい家族を探す準備が整いました。

写真家で複数の動物保護団体やシェルターでボランティア活動をしているシャノン・ジャクソンさんが、スマッシュを一目見て心を奪われ、感謝祭の日に彼女を家族に迎えました。
奥さんのサラさんと、3匹の犬、3匹の猫、1匹のハリネズミと暮らすシャノンさんの自宅で、スマッシュはとても歓迎されました。
たくさんの仲間たちに囲まれ、スマッシュはのびのびと暮らし始めたのです。

スマッシュは外見がほかの猫とは少し違っているかもしれません。
そして、人生のスタートはとても困難なものでした。
幸運なことに親切な人達に支えられ、彼女自身も生きることを諦めませんでした。
あたたかい家族に迎えられた今、スマッシュは見違えるほど輝いています。
シャノンさんは言います。『スマッシュは彼女のような子猫を救うために活動する人たちへの感謝を忘れないだろう』