その日の朝、猫は家の外で鳴いていました。
ドアを開けると猫は口に子猫を咥えていたのです。
私たちの前に子猫を下ろすと、猫は再び外へ戻りもう1匹の子猫を咥えてくるとまた外へ戻っていきました。
私たちは猫が子猫を全て銜えて来ると思っていたのですが、どうやら彼女の子は2匹だったようです。

その日、嵐が近付いていたため心配になった私たちは猫を探しました。
猫を見つけたとき、同じアパートに住む若い女性がその猫にごはんをあげていることが分かりました。
女性のところには子猫を連れて来ていたようです。
女性と話すうちに猫と2匹の子猫を彼女が世話をしてくれると言います。
私たちはマンゴーとジュリアスという2匹の猫を飼っていたため、女性の申し出に甘えることにしました。

私たちは女性と親しくなり、子猫たちを見守ることができました。
母猫は妊娠中だったのですが、嵐の後、再び外の生活に戻り時折女性の家を訪れていました。

その翌月、女性はバルコニーに生後間もない1匹の子猫を見つけました。
そして、あの猫が頻繁に女性の家を訪れるようになりました。

女性は家の中に親子を招こうとしたのですが、猫は入ろうとしませんでした。
女性は仕方なくバルコニーに親子のためのベッドを用意してあげました。
ところが、母猫はしばらくすると姿を見せなくなりました。

母猫は、自分と子猫にご飯をごちそうしてくれる女性を見つけ、新たな命を託していったようです。
女性は部屋の中に子猫のベッドを作ってお世話を始めました。
私たちは、子猫用の小さなクッションをプレゼントしました。

女性は子猫を動物病院へ連れて行き、健康状態をチェックしてもらいました。
幸い子猫の状態は良好でした。
女性は時間ごとのミルクを与え、彼女の母親と協力して一生懸命にお世話をしていたのです。

彼女は母猫がいつか子猫を迎えに来るかもしれないと思っていました。
だからそれまでの間、責任を持って子猫のお世話をすると決めていたのです。

ミルクを卒業した子猫は、ウェットフードをモリモリ食べていました。

女性は子猫にフラッフィーと名前を付けていました。
フラッフィーは彼女とその家族に愛情を注がれ、彼女の家での暮らしを気に入っていました。
彼女は動物好きで、猫の他に犬が2匹、それに馬を1頭飼っていました。
彼女の家族はみんな、フラッフィーを可愛がってくれました。
小さなフラッフィーは、彼女の家族と私たちの注目を一身に集めていたのです。

フラッフィーの母猫は、その後も姿を見せることはありません。

女性は今でもいつか母猫が戻ってくると信じています。
私たちもあの猫にもう一度会いたいと思い続けてきました。

フラッフィーは自分の家族のもとで順調に成長を続けています。
母猫はアパートの住人の中に、安心して我が子を託せる人間を探していたのかもしれません。

外を愛する猫ですが我が子を想う愛情深い猫でもあるだけに、
いつかフラッと戻ってくるような・・・そんな期待を捨てきれず待っている私たちです。