シンフォニーと10匹の猫はアーリントンのシェルター、パーフェクト・パルスが引き取り、スタッフたちの献身的な看護が施されました。

猫たちは全員が人間との暮らしに慣れる必要があり、特にシンフォニーは人間への信頼を失い、とても怯えスタッフとの接触を避けていつも物陰に身を潜めていました。

シンフォニーは施設に到着したとき上気道感染症を患っていましたが、スタッフの看護のおかげで回復し、その後、シェルターの養育主の自宅でお世話されることになりました。

養育主の家で暮らし始めたシンフォニーは、そこで2匹の子猫を出産し、養育主やシェルターのスタッフを驚かせました。
というのも、誰もシンフォニーの妊娠に気付くことができずにいたのです。
シンフォニーは、初めての出産とめまぐるしく変わった環境に戸惑い、授乳期が終わるころには、子猫のお世話を止めてしまいました。
シンフォニーは子猫にどう接していいのか分からないようでした。

パーフェクト・パルスでは、人間との接し方を知らない子猫やシンフォニーのように人間との信頼関係を失ってしまった猫に対して、トレーニングを受けた受刑者と暮らし、お互いの社会化を目指す育成プログラムを実施しています。
このプログラムに参加した猫たちは、明らかに新しい家族のもとへ旅立つ確率が高くなると言います。

数か月間の育成プログラムを終えたシンフォニーは、新しい家族を探す準備を整え、シェルターへ帰ってくると、いよいよ採用センターに移されました。

シェルターと採用センターの双方でボランティアをしているリアさんは、数週間のクリスマス休暇の間シンフォニーを一時的に預かることにしました。
採用センターにいた猫はシンフォニーだけだったのです。
12月19日、リアさんは夫のラリーさんと一緒にシンフォニーを迎えに行きました。

その少し前、リアさんはシンフォニーと過ごした受刑者の自筆の手紙を読んでいました。
そこには、受刑者がシンフォニーを心から愛していたこと、シンフォニーがどんなおもちゃを好むか、そして彼女が遊び相手を欲しがっていることなどが描かれていました。
手紙を書いた受刑者は、シンフォニーが喜びそうなことを熱心に綴り、彼女が新しい家族と巡り会えることを心から願っていました。

『その手紙に私は感動しました。そして、シンフォニーには彼女に愛情を注ぐ家族が必要だと思いました。』

リアさんが一時預かりの書類にサインをしている間、夫のラリーさんがシンフォニーのケージの前に立つと・・・

シンフォニーがラリーさんの首に腕を回し抱きつきました。
あれほど人を遠ざけていたシンフォニーが、自分からラリーさんの胸に飛び込んだのです。
ラリーさんはしっかりと受け止め、シンフォニーを抱きしめました。

リアさんは、迷うことなくシンフォニーを引き取るための書類に改めてサインをしました。

リアさんの家にはシンフォニーと相性の良さそうな猫が2匹も待っていました。
シンフォニーが選んだ家族は彼女にとって完璧ともいえる家族だったのです。
辛く長い道のりでしたが、シンフォニーがたどり着いた家には彼女の望むすべてがありました。
そして、シンフォニーの2匹の子猫(サミーとポーラーベア)は、それぞれ望まれて新しい家族のもとへ旅だっていました。