私の椅子におさまって眠っていた子猫が私を見上げました。
ビックリしたのは私の方で、子猫は落ち着いていました。
これではまるで私のほうが侵入者です。

その日の朝、遅刻しそうだった私はあわてて自宅を飛び出しました。
その時、うっかり窓を閉め忘れてしまったのです。
どうやら子猫は開いている窓を見つけて入り込んでいたようです。
子猫に首輪はありませんでした。
椅子から飛び降りると、鳴きながら私の後を付いてまわりました。

きっとお腹を空かせているだろうと思い、近所の店に走ってキャットフードを買ってきました。

子猫の前にキャットフードと水のボールを置くと嬉しそうに鳴きながら食べていました。

近所の人に子猫のことをたずねてみましたが、子猫を知る人はいませんでした。

翌日、私は子猫を動物病院へ連れて行きました。
子猫からマイクロチップは見つからず、獣医師はノミとお腹の寄生虫を駆除するために注射を打ち薬を処方してくれました。

私は試しに子猫をいろんな名前で呼んでみました。
子猫はガトー(スペイン語で猫の意味)とバディに反応しました。
私は、バディと呼ぶことにしました。
バディは私との暮らしが気に入っているようです。
私も悪くないと思っていました。

バディはとても楽しそうでした。
家中を駆け回り、そうでない時はいつも私の傍にいました。

私はどうしても確かめておかなければならないと思いました。

翌週、もう一度近所中を回ってバディの飼い主がいないか訪ねて回りました。
誰もバディを知る人はいませんでした。
どこかでホッとしている私がいました。
バディは私の中で存在感をさらに大きくしていました。

小さなバディはとんでもない子猫でした。

偶然開いていた窓から侵入した彼は、自分の家を見つけていました。

しかも、その判断は間違っていなかった。

私はバディと暮らしていくことを決めました。

たくましさを増すバディは、確実に私の大事な親友に成長しました。

バディはなぜこの家を選んだのでしょう。
私が帰ってくるまで待っていたのは、私を確かめるためだったのでしょうか。
だとしたら、やっぱりバディはとんでもない子猫です。