以上に大きな目をしたバギー。
彼の顎は曲がっていたためにきれいに開けることができませんでした。
後に足にも大きな問題が発見されるのですが、保護された当時はまだ分かっていませんでした。

施設のボランティアをしているクレアさんは生後3か月のバギーと出会い、一目惚れをしました。

その1か月後、獣医師はバギーの膝頭が外れていることを発見します。
そして手術前の検査のためレントゲンを撮ったバギーの足に、衝撃的な事実が判明しました。
バギーの後ろ足から腰にかけての関節が、全て変形していたのです。
しかも手術で治すことは非常に難しく、バギーが1歳を迎える頃には歩行すらできなくなり、バギーは苦しみ続けねばならないというのです。
クレアさんは大きなショックを受けました。

このときクレアさんはバギーを家族に迎える決心をしました。
バギーに立ちはだかる危機に、クレアさんはバギーにこそ彼を支える家族が必要だと思いました。
万が一バギーが長生きできないとしても、愛されていると実感していてほしい・・・クレアさんはそう思ったのです。

当時のバギーはまだ新しい家族のもとへ旅立つ準備が整っていませんでした。
2014年のクリスマス、施設を訪れたクレアさんはバギーとその兄弟たちと一緒に過しました。

そして2015年2月1日、バギーはクレアさんの家族として一緒に暮らし始めました。
バギーはいつも、クレアさんの家族の中心にいました。

しかし、バギーの成長と共に彼の足の状態は悪化の一途をたどり、クレアさんの家族は心を痛めていました。
クレアさんは、イギリス中の獣医師にバギーの足の治療の可能性を求め続けましたが、返ってくるこたえはいつも同じ、治療はできないというものでした。
『私が最も打ちのめされたのは、バギーのご飯を購入するときでした。
このご飯をバギーは食べることができるのかしら・・・そんな最悪のことが頭を支配し、購入することすら躊躇してしまったのです。』

絶望的な状況の中、クレアさんは一人の獣医師を思い出しました。
神経学と整形外科に精通し、難しい手術を何度も成功させている獣医として知られるスコットランドのノエル・フィッツパトリック博士でした。

クレアさんは片道10時間をかけてフィッツパトリック博士を訪れ、バギーを診てもらいました。
すると、博士はバギーの手術は可能だという結論に達し、さらに手術を引き受けてくれたのです。
『それは最高のニュースでした!』

バギーは6月に救命手術を受け、その翌7月に固定した金属器具を取り出す手術を受けたのです。
クレアさんがバギーを迎えに行ったとき、博士はリハビリの方法を見せて、丁寧に教えてくれました。
クレアさんは博士にバギーの今後について尋ねました。
『博士はこう答えました。普通の猫と何も変わりはありませんって。私は嬉しさのあまり思わず声をあげてしまいました。』

バギーは3歳になりました。
キャットタワーを駆け上り、ほかの猫たちと追いかけっこをして遊んでいます。
日光浴をしながら昆虫や鳥を観察するのも大のお気に入りです。
クレアさんが庭に設置してくれたキャットハウスで心地よい風に吹かれて、お昼寝を満喫しています。
絶望を味わいながらも、決して諦めなかったクレアさんたち家族に支えられ、バギーはいつもその大きな目で前を見詰めてきました。
『バギーは私の最高の親友です。彼が居なければ私はくじけていたでしょう。バギーが私を支えてくれました。』
たくましくなったバギーは、クレアさんにとって生涯の親友へと成長しています。