玄関の外に、私の猫と1匹の野良猫が大きな声で鳴いていました。
座り込んでした見知らぬ猫は、私に気付くと立ち上がって必死に訴えてきました。
猫は左の後ろ足に傷を負い、大きく腫れあがっていました。
しかも傷はそれだけではありませんでした。
左の腰の当たりに殆ど治癒した大きな傷跡がありました。
ふらふらしながら私に助けを求めてきました。
傍にいた私の猫も心配そうに鳴いていました。
私は急いで行きつけの動物病院へ猫を連れて行きました。

獣医師の女性はレントゲンを撮り、腫れあがった左足に骨折はないと言いました。
『ほかの猫に傷つけられたのね。炎症を起こして腫れているのよ。でも、前脚に骨折した跡があるわ。数週間は経っているみたい。この子が足を引きずっていたのはそのせいね。』
腰の古い傷もおそらくほかの猫にやられたのだろうと言います。
彼女は丁寧に傷口を消毒し、ノミやダニ、お腹の寄生虫を駆除する薬を与えました。
診察と治療の間、猫はとてもおとなしくしていました。

獣医師は2日間の入院が必要だといい、私は2日後に迎えに行きました。

自宅に連れ帰った猫に私たちは1日2回の筋肉注射を射ち、処方された抗生物質をあたえました。

痛みが和らいだ猫は、とても機嫌がよくなって床にゴロゴロと転がるようになりました。
腫れている足に体重をかけられないのでまだ3本足で歩いていますが、かなり元気を取り戻してきたと思いました。

私たちは傷口に1日3回の消毒をしました。
まだ腫れていますが、最初に比べればかなり引いてきました。

ここでは空腹を心配することもありません。
ただ、傷を治すことだけに専念すればいいのです。

彼自身、1日30回は傷口を舐めて一生懸命治そうとしていました。

そしてついに、猫は4本の足で走り始めました。
まだ完全ではありませんが、猫らしい軽やかな足取りを取り戻しつつありました。

5日間の療養を終え、再び動物病院を訪れました。
獣医師は傷を見てこう言いました。
『もう大丈夫ね。抗生物質ももう必要ないわ。』

野良猫は外に帰る準備が整いました。
私の家で療養している間にも、野良猫は大きな窓越しにいつも外を見ていました。
家の中にとどめておくのは難しいと感じた私は、野良猫を私の猫たちの暮らす庭へ帰すことにしました。

ケージを出た猫は、早速私の庭を探検し始めました。

庭の隅々まで見て回っていた猫でしたが、夕方になってもう一度様子を見に行くと、私の猫と一緒にいました。
私を見つけるとすぐに寄ってきました。
どうやらここを気に入ってくれたようだし、私の猫ともうまくいきそうです。
ここでは誰も彼を傷つけることはありません。
野良猫だった彼も、これで私の猫の仲間入りです。

わずか1週間足らずでひどいケガを克服できて本当に良かった。
もしあのまま誰の助けも得られなかったら、彼は最悪命を落としていたかもしれません。
人間を頼ることを決めた彼の判断は正しかったのです。