団地の近所に野良猫たちのコロニーになっている古い家がありました。
前の週にその近くで子猫を見かけていたので、その子猫はコロニーから歩いて来たのだと思いました。
その家はとてもひどい状態だったのです。

お腹を空かせていると思い、鶏肉を少しあげることができました。
捕まえようとしたのですが、警戒した子猫にすぐに逃げられてしまいました。
階下の隣人に子猫が戻ってきたら知らせてくれるようにお願いしておきました。
しばらくして隣人から知らせが入り、今度は子猫を捕まえることができました。

子猫はとても怯えていました。
ゴミが張り付いていたので、柔らかいタオルの上に子猫をのせて櫛を通してあげました。
子猫は少し落ち着いて来たのですが、震えていて寒そうに見えました。
風邪をひいているのかもしれないと思い、動物病院の予約を入れました。
運がいいことに1時間以内に診察してもらえることになったので子猫を連れて病院へ向かいました。

獣医師の診察を受ける間、子猫は怯えて緊張していました。
獣医師は子猫をお風呂に入れてノミと汚れをきれいに洗い流してくれました。
さっぱりときれいになった子猫に抗生物質が処方され、私は小猫と一緒に帰宅しました。

私は子猫をナックスと呼んで飼うことにしました。

我が家についてしばらくすると、ナックスは少しずつ落ち着き始めていました。
体調は悪かったのですが、幸いにも食欲は旺盛でキャットフードをお腹いっぱいに食べることができました。
お腹いっぱいになったナックスは、私の膝に上がり喉を鳴らすようになりました。

一晩ぐっすりと眠ったナックスは、翌日には薬の効果が現れ、顔立ちがスッキリとしてきました。
私の膝に上がって、じっと見上げられると、なんだか助けたお礼を言われているように感じられました。
薄汚れていたナックスはたった1日で別の猫に生まれ変わりました。

ナックスが家族に加わって4か月が過ぎました。
私の両手で包めるほど小さかったナックスは、こんなに大きくなりました。
ナックスは私とハグするのが大好きなんです。
ひとりぼっちでさまよっていたナックスは、ハグの相手を探していたのかもしれません。