シューターは、出迎えた私たちのもとに子猫を咥えてきました。
子猫は凍り付くように冷たく、ほとんど動いていませんでした。
おそらくシューターはひとりぼっちでいる子猫を見つけ、銜えてきたのだと思いました。
私たちは子猫をタオルで包み、お湯を入れたボトルをタオルの下に入れ、子猫を温め続けました。
子猫が持ち応えられるか不安でしたが、何とかその夜を超すことができました。
お湯を入れ替える間、夫は子猫を胸ポケットに入れて温めていました。

私たちは犬と暮らしているので、翌日地元のシェルターへ子猫を連れて行きました。
ところが、人員不足でお世話が必要な小さな子猫を引き取ることができないと断られてしまいました。
シェルターのスタッフは、私たちにこう言ったのです。
『子猫を温め、3時間ごとのミルクを与え、排泄を助けて下さい。子猫を育てる喜びを経験してみてはいかがですか?子猫が離乳を迎えたら、ここで引き取ることもできますよ。』

お世話ができないと言われては仕方がありません。
スタッフの言う通り、離乳を迎えてから子猫を引き取ってもらうことにしました。

その日以来、私たち家族は子育てに奮闘することになりました。

哺乳瓶に慣れた子猫はミルクをたくさん飲めるようになりました。
少しずつ回復し、その後順調に成長を始めた子猫を私たちはレミーと呼ぶようになりました。
レミーはいつも私たちの傍にいたがりました。

レミーは私の母の猫サッシーを本当の母のように慕うようになりました。
サッシーはレミーを受け入れてくれたのですが、2匹のやりとりは私たちにたくさんの笑いをもたらしてくれました。

レミーを保護して数週間が経った頃、私たちはレミーの目に異変を見つけました。
上気道感染症で目が腫れていたのです。
幸い発見が早かったので大事には至らずすぐに治癒しました。

レミーはすでに歩くことを覚え、とっくに離乳していました。
シェルターに引き取ってもらえる時期が来ていたのですが、私たちはレミーを手放すことができなくなっていました。
レミーは私たちの家族としてすっかり溶け込んでいたのです。

レミーにとってはじめてのクリスマスがやってきました。
レミーは大きなクリスマスツリーに興味津々、顔を突っ込んではしゃいでいました。

レミーは我が家の誰からも愛される存在になっていました。
彼は猫のママ、サッシーが大好きでいつも甘えています。
レミーとサッシーが一緒にいると、相変わらずいつも笑いが起こり周りはとても明るくなりました。

猟犬たちもレミーをとても可愛がってくれました。
レミーを救ったシューターは勿論ですが、意外にも一番の親友になったのはメスの1匹だったのです。
彼らは特別の絆を築き、レミーは彼女をとても大切にしています。

たくましく成長したレミーは、私たちと車で出かけるのが大好きになりました。
出かけた先々で、大きな木に登るのが彼の楽しみになったのです。

瀕死の状態で我が家にやって来た小さな子猫は、私たち家族全員の愛情を一身に受け大きくたくましく成長しました。

『子猫を育てる喜びを経験してみてはいかがですか?』
シェルターのスタッフの言葉どおり、レミーは私たちに大きな幸せをもたらしてくれています。
私と夫は、あの日シェルターに引き取りを断られたこと、そしてスタッフの言葉に感謝しています。