茂みの中から出てきた子猫は、骨が浮き出るほど痩せていました。
フラフラした足取りで私の脚にしがみついてきたのです。
雨に濡れた身体はガタガタ震えていて汚れていました。

お腹が空いているだろうと何かあげたかったのですが、あいにく私はサブウェイのサンドイッチしか持っていませんでした。
小さくちぎってあげると子猫はびっくりするほど食べていました。

その場所に放っておけなかったので、子猫を宿泊先まで連れて帰ることにしました。
空腹と脱水、雨に打たれて冷え切っていた子猫は宿泊先の部屋についても疲れきって動くこともできません。
床の上に小さくしゃがみ込んでいました。

タオルでくるんであげるとしゃがんだまま昼寝を始めました。

お風呂に入れて温め、きれいにしてあげようと思いました。

キッチンのシンクにお湯を溜めて子猫を洗ってあげました。
するとみるみるうちにシンクのお湯が濁っていきました。

何度もお湯を入れ替え、たくさんついていたノミもこれできれいに洗い流すことができました。

子猫の体重はわずか500g。
痩せた身体に大きな頭がのっています。
同室の仲間と、1900年代のゲームのキャラクター「チェスターチーター」に似ているという話になり子猫の名前はチートに決まりました。

数日後、少なくとも安全でお腹を空かせる心配がなくなったチートは、安心したのか部屋の中を探検する元気が出てきました。
動き回るチートに私たちもホッとすることができました。

ここでの撮影が終わり、いったん自宅へ戻ります。
これからチートも空の旅です。
彼のテンションも上がっています。

私は家を空けることが多いので、チートを母のアパートに預けることにしました。
母の家で暮らし始めて3週間後、チートの体重は2.3kgまで増え、完全に回復できました。
母の家で彼は元気に遊んでいます。

森の中で私の脚にしがみついてきたチートは、温かく安全な自分の家で暮らしています。
私の脚は、チートの永遠の家への『足』だったようです。