ラスベガスを拠点に活動する動物保護施設ネバダSPCAのニッキ・マルチネスは、地元のシェルターに、スタッフたちが心を痛めている14歳の猫がいるという話を耳にしました。
3年前、シェルターに連れて来られたクロエというその猫にスタッフたちはいろいろ手を尽くしてきたそうですが、クロエの心は閉ざされたままだといいます。

いつも物陰に隠れているクロエに施設を訪れる人たちが目を向けることは期待できず、クロエは出会いのきっかけすらつかめずにいました。
シェルターの暮らしもすでに3年を経過し、このままではクロエに新しい出会いは望めそうにありませんでした。

ニッキは、そんなクロエのありのままの姿を「シェルターに最も長くいる猫」として Instagram でライブ配信したのです。

カメラを向けられたクロエは丸くなって俯いてしまいました。
しかしニッキがクロエの頭をなでると、少しだけ頭を突き出していました。
クロエは撫でられて嬉しかったのです。
彼女は愛されることを望んでいました。

カリフォルニア州に住むある家族がその動画を見て、すぐにシェルターに連絡を取りました。
家族は車に乗り込み、カリフォルニア州の自宅から4時間以上かけてラスベガスのシェルターまでクロエを迎えにきたのです。
迎えに来たクロエの新しいママは、自宅に向けて出発するときはじめてクロエが14歳だと知りました。

カリフォルニアの自宅に着くと、クロエはベッドの下に隠れてしまいました。
しかし数時間後、クロエは家族の前に姿を現し新しいママに頭を突き出してきました。
ママに頭を撫でてもらうと嬉しそうに喉を鳴らしました。
クロエは家族の家が自分の新しい家だと理解したのです。

わずか3日後、クロエは以前とは大きく変わっていました。
家族はいつでもクロエを抱きしめることができました。
新しいママに名前を呼ばれると、クロエは走って来て嬉しそうな表情を浮かべるのです。
そしてクロエは毎晩家族が眠るベッドに入ってくるようになりました。

家族は以前から2匹の猫を飼っていました。クロエと年の離れたモリーは、クロエに遊んでほしくていつも甘えています。
ときどき強引すぎてクロエにたしなめられてしまうそうです。

クロエは家族の誰からも愛される存在になりました。

動画を見た新しいママは『クロエはシェルターに連れて来られたのは自分のせいだと思い込んでいて、新しい家族と巡り合うことなどないと諦めているように見えました。
私はクロエが愛される存在であることを実感してほしかったし、そんなクロエを見たいと思いました。』
そう話していました。

クロエは今、自分が愛されていることを知っていて彼女もまた家族を愛しています。