私たちはいつも彼がいる場所に因んで、その猫を『Stoop Cat』石段の猫って呼んでいます。

最近になって彼の飼い主さんに本当の名前がミンクスだと教えてもらったのですが、私たちには石段の猫の方がしっくりきたので今でもそう呼んでいます。

彼はいつ見てもとてもきれいにお手入れされています。
彼が飼い主さんにとても可愛がられているのがよく分かります。

丸々としてフワフワな彼は、私が通りかかると石段に飛び降りて来て挨拶をしてくれるんです。
私は彼と挨拶を交わすのが毎日の楽しみになりました。

彼はこの場所で行き交う人や、近所の何気ない出来事をただ観察しているだけ。
でも、近所の人たちにとって彼がこの場所にいるのはとても重要なことなんです。

たとえ落ち込んでしまったときでも、彼が挨拶してくれるだけで元気をもらうことだってあるの。
モヤモヤした気分を彼の豪快なあくびが一緒に吐き出してくれるのよ。

今日も仕事を終えて彼の前を通りかかったら、私を見つけた彼が喉を鳴らして迎えてくれました。

おでこを近づけた私に、クリクリした目で頭突きを返してくれた彼。
『お帰り!今日もお疲れ様。』
そう言っているような気がするの。

私がこの近所に暮らし始めた最初の3年は、石段の猫に挨拶をしてもらえる彼の顔なじみになりたいと思い続けてきました。

この近所に住む人たちは、誰もがそう思っていると思うの。
みんな私と同じように彼にたくさんのものを受け取っていると思う。

石段の猫が毎日そこにいて挨拶してくれる、私たちにとって欠かせない大切なひとときなのです。