後ろの茂みを回って、まだらのすぐそばに若い猫が姿を現しました。
明らかにまだらより大きく、若い猫です。
後ろに気配を感じていたまだらの目は、普段からは想像もできないほど鋭くなっていました。

近付いて来る若い猫に、戦闘モードのスイッチが入ったまだら。
若い猫は威嚇しながらさらにまだらに寄ってきます。

男性が心配しているのはまだらではなく、若い猫の方です。
まだらはかつて大ボスだった猫で、怒らせるととんでもないことになるのだそうです。

若い猫はしきりに威嚇しながらまだらとの距離を詰めてきます。
しかし、まだらはその場から一歩も動かず、相手の威嚇に尻尾だけで応えます。

まだら、鋭い目がかなり怖い・・・

若い猫、さらに威嚇しながらまだらに顔を近づけて行きます。
時折短く唸っているようにも見えますが、手を出す気配を見せないまだら。
相手を見透かしているようです。
下から睨み上げ、一歩も引きません。

威嚇を続ける猫に鋭い視線と尻尾、それ以上は決してないまだら。
しばらくそんな状態が続いた後・・・
若い猫はようやく、手に負えない相手に仕掛けてしまったことに気付いたようです。
腰が引けてしまいました。

若い猫、視線が泳ぎ始めました。
すでにどうやってその場から逃げるか・・・彼の頭にはそれしかないようです。

逃げる機会を狙って威嚇を続けながら、徐々にまだらから離れる若い猫。
右へ逃げるチャンスを伺っています。

短く鳴いて、一瞬で身をひるがえし一目散に逃げ去った若い猫。
『失礼しました!』『ごめんなさい!』そう言っていたのかな…

若い猫を眼力だけで撃退したまだら。
鋭い目、もの凄い迫力でした。

金網のフェンスを歩くまだらはどこか物寂しく老いを感じさせていました。
でも。
男性によるとまだらは大きな集団の大ボスだったそうです。
男性はときどきまだらに教育され、野良猫のボスと付き合う際のルールを教えてもらいました。
長年野生で暮らしてきたまだらは、猫に優しい男前な猫です。
このときのまだらも無駄な争いを避け、若い猫に教育的な大人の対応を見せてくれました。