シェルターではじめてサイモンを目にしたとき、私たちはその愛らしさに一目惚れをしました。
最初は彼の後ろ足が1本しかないことに気付けないほど、サイモンは普通の猫と変わりませんでした。
私たちはそのたくましい姿にすっかり心を奪われ、サイモンを引き取ることにしたのです。

私たちの家族として暮らし始めたサイモンは、いつも機敏な動きを見せ、走ることにも何の問題もありませんでした。
私たちの家でサイモンはのびのびと暮らしていました。
しかし、2016年6月、サイモンを悲劇が襲いました。

サイモンが近所に飼われている犬に襲われ、左の前脚に重傷を負ってしまったのです。
私たちはサイモンの緊急手術を受けるために、直ちに獣医専門家グループの病院(VGS)へ運びました。

手術を受け我が家で療養を続けていたサイモンでしたが、傷は治癒することはなく、獣医師たちはサイモンの命を守るために切断を選択するしかありませんでした。
サイモンはまたしても彼の足の1本を失ってしまいました。

しかし、治療を続けるサイモンは決してうつむくことはありませんでした。
そして、切断手術を受けた2日後、なんとサイモンは残された右の2本足で立ち上がり、何事もなかったように軽やかに家の中を跳ねまわったのです。
サイモンのその姿は、私たちに改めて彼の強さを教えてくました。

サイモンの治療にあたる獣医師たちは、サイモンの強靭なバネに驚いていました。
しかし、サイモンにとってそれは特別なことではなく、ほかの猫と同じように例えば階段を上り下りし、できないことはありませんでした。
サイモンはすべてを受け入れ歩みを止めませんでした。

サイモンには妹分の猫オリーブと最近新しく加わった弟、犬のバリーがいます。
弟や妹と過ごすサイモンは、面倒見の良い兄の役割をちゃんと果たしています。
サイモンのお気に入りは庭のベンチで妹分のオリーブとのんびり過ごすことです。
勿論、彼らは部屋の中でも庭でも元気に走り回って遊んでいます。

私たちがシェルターで一目惚れをしたサイモンは、私たちが魅せられたその強くたくましい姿で前を見据えています。
もし、私たちにサイモンの言葉が理解できるなら、彼はまっすぐな目できっとこう言うでしょう。
『ボクは大丈夫!』