生後間もないとき馬小屋で発見された子猫は、後にラルフィーと名付けられ、私たちの家族として迎えられました。
彼女の頭は常に揺れていて、その様は酔っぱらった水夫のようだと表現されています。
ラルフィーは小脳形成不全、先天的な神経障害を持って生まれました。

小脳形成不全ははっきりとした原因が分かっておらず、治療法はありません。
その症状や程度は個体によりさまざまで、ラルフィーの場合典型的な常に頭が揺れるという以外、健康面には全く問題がありませんでした。
ラルフィーは事実、とても活発でとんでもなく元気です。

私たち家族は、小さなラルフィーに心を奪われ、自宅で育てることにしました。
当時、私たち家族の中で最も彼女の虜になったのが愛犬のマックスでした。
マックスはかつて私たち家族が保護した犬で、現在は牧場で牛追いを手伝ってくれています。
マックスは、始めて見る小さなラルフィーに目を輝かせ、ある決心をしました。

歩くことを覚えたラルフィーは、我が家の広い庭でのびのびと遊び始めました。
彼女は成長した今も少し個性的な歩き方をします。
そう・・・それはまるで飛ぶような、妖精が飛び回るような感じ、とでもいいますか。
幼い頃のラルフィーは、はたから見ても少し危なっかしい歩き方でした。
そんなラルフィーに、マックスはぴったりと寄り添っていたのです。

幼いラルフィーは、好奇心の赴くまま庭中を飛び回っていました。
マックスは、ラルフィーが危険な目に遭わないように目を光らせ、彼女を守り続けていたのです。
マックスはどんなことがあってもラルフィーを守ると決心していたのです。
私たちにはまるで、小さな女の子を遊ばせる父親のように見えました。

6か月が過ぎ、ラルフィーは順調に成長しました。
相変わらず揺れる頭は変わりませんが、足元から危なっかしさは消え、驚くほどのスピードで走ることもできるようになりました。
庭中、あらゆるところもほぼ知り尽くしています。
しかしマックスは彼女の傍を離れることはありませんでした。

ただ、以前と違う見守り方をするようになりました。
ラルフィーが幼い頃は、自分の視界から決して外さなかったマックスでした。
しかし今は、ラルフィーに異変を感じたらすぐに駆けつけられる距離で腰を下ろして見守っています。
走り回るラルフィーは、ときどきマックスの傍に戻って来ます。
『楽しいかい?』
『ええ、いい感じ!』

成長したラルフィーに、もうボディーガードの必要はありません。
しかし、マックスはおそらくこの先もずっとラルフィーのそばを離れることはないでしょう。
ラルフィーもまた、マックスのいない外の時間は考えられないでしょう。
彼にとってお互いは寄り添っているのが至極当然のことなのです。
私たちには夫婦のようにも、親子のようにも見えます。
いずれにしても、お互いが唯一無二の存在であることに間違いありません。