保護施設のサイトでティガーを見つけた私は、愛猫のスチュアートにとって完璧な相手だと思い、すぐに手続きをしました。

初めて会ったティガーは骨が浮き出るほど痩せ、毛並みも荒れていました。
それまでティガーがどんなに苦労して生きてきたのか、それを想うと私は心が痛みました。
ティガーは我が家に来た時から1日4Lも水を飲んでいて、私もボーイフレンドもとても気になっていました。
早速動物病院で診察を受けたティガーは、腎臓機能が著しく低下していることが判明したのです。

しかし、獣医師が処方した薬と食事療法のおかげでティガーは順調に回復しはじめ、体重も少しずつ増やすことができました。
ティガーは私たちにすぐに馴染んでくれ、思った通り、スチュアートも年上のティガーをとても大事にしていました。
スチュアートは、寝そべるティガーのからだを隅から隅まで毛繕いし、ティガーは喉を鳴らしていたのです。
私たちに囲まれ、初めて家族の一員となれたティガーはとても楽しそうでした。

順調に見えたティガーとの暮らしに、またしてもショッキングな事実が判明しました。
ティガーの身体に、ゴルフボールほどに大きくなった腫瘍が見つかったのです。
ティガーに残された時間がそう長くはないことを悟った私とマイケルは、ティガーの時間ができるだけ充実したものになることを願い、ティガーのバケットリスト(やりたいこと、やっておきたいことのリスト)を作り、ひとつずつ実行することを決めました。

私たちは休みを見つけてはティガーをいろいろなところへ連れて行くようにしました。
車で遠くへ出かけることもあれば、ティガーをバッグに入れて近所へ歩いて行くこともありました。
家に友人を招いてホームパーティーをするときも、ティガーとスチュアートは必ず一緒に過しました。

ティガーはひとつひとつの小さな冒険をいつも楽しんでいるようでした。
家にいるときもティガーは私たちの傍を離れようとしませんでした。
お昼寝の時、テレビを見ている私の傍らで私と腕を組んで眠るのがティガーのお気に入りでした。
私とマイケルは、高齢で病気を抱えたティガーとの暮らしに新たな幸せを実感していました。
ティガーが私たちとの時間に楽しそうな様子を見せてくれるたびに、私たちはとても幸せを感じることができたのです。
ティガーを迎え入れる以前には想像できなかったことでした。

2016年11月19日、ティガーは22歳の誕生日を迎えました。
自宅で友人たちを招いて盛大なバースデーパティ―を開き、私たちはティガーを祝いました。
彼を愛する友人たちに囲まれ、ティガーはお魚のケーキをたいらげました。
私たちの暮らしは、いつの間にかティガーを中心に回っていたかもしれません。

ティガーの小さな冒険の中で一番のお気に入りはビーチに出かけることでした。
ティガーは車から海岸までマイケルの後ろについて、砂を踏んで歩きました。
広いビーチでゆったりと過ごすティガーは、とてものびのびとした様子で砂の上でお昼寝をするのが大好きでした。

2017年3月10日、それは突然でした。
私たちの前でふらついたティガーを私が腕に受け止めると、30秒も経たないうちに彼は息を引き取りました。
私たちが願っていた通り、痛みも苦しみもありませんでした。

私が発信していたSNSを通じて、たくさんの人がティガーの闘病と小さな冒険を知り、応援してくれていました。
多くの人に、高齢の猫との生活がどんなに豊かなものか伝えることができたら・・・私たちはそう願っていました。
私とマイケル、そしてスチュアートは、ティガーの人生に関われたことをとても感謝しています。