私の夫が空き地にいる猫を見かけ、その猫が最近空き家になった近所の家に出入りをしていることを突き止めました。
近所の方の話によると、その猫は2週間ほど前、以前の住人が引っ越した際に置き去りにされ、食べ物を求めて近所を彷徨っているのだと言います。

私たちは猫を放っておくことができなかったので、私たちの自宅でお世話をしようと考えました。
しかし、我が家にはすでに猫のコンラッドがいるため、万が一のことを考え先に動物病院で診察を受けてもらうことにしました。
それまでの間、お腹を空かせた猫のために、ご飯と水を猫に与えることにしました。
はじめて猫に近づいたとき、猫が私たちに向かって鳴きました。
私たちには「助けて」そう言っているように聞こえました。

ご飯をあげ始めて数日後、私たちは猫を動物病院へ連れて行くことができました。
しかし、そこで思いがけない事実を知ることになりました。
猫は、約2歳のオスで、去勢手術もワクチンの接種も受けていませんでした。
幸い血液検査に異常は見られなかったものの、深刻な膀胱の疾患を患っていることが分かったのです。

猫はカテーテルを通す手術を受け、治療が始まりました。
そして同時に去勢手術を受けなければなりませんでした。
私たちは猫が健康状態をチェックしたらすぐにでもコンラッドと仲良くできるだろうと思っていたのですが、辛い治療の日々が始まってしまいました。
私たちは猫にアルフレッドと名前を付け、アルフィーと呼ぶことにしました。
アルフィーの病状は一進一退を繰り返す日々がしばらく続きました。

手術の1週間後、一時帰宅したアルフィーは、ようやく我が家の猫、コンラッドと対面することができました。
翌朝、再び病院へ戻ったアルフィーは血尿が出ていました。
アルフィーは辛い顔を一切見せず、必死に戦っていたのです。

私たちは、アルフィーがそれまでどんな生活を送っていたのかを知りません。
でも、信頼していた家族に置き去りにされ、2週間もの間食べることさえままならず孤独な日々を過ごしていました。
病気で体調を崩した中で私たちに出会い、入院生活が始まったのです。
治療のためとはいえ、環境の変化だけでも大変なストレスを抱えてしまったに違いありません。
私たちは、アルフィーにできるだけ寄り添い、励ますしかありませんでした。

アルフィーの治療が始まって3ヶ月が経過し、その間も彼の病状は一進一退を繰り返していました。
アルフィーの治療は猫専門の病院へ移され、入院生活から、自宅で投薬を受けながらの治療に変わりました。
我が家で過ごすアルフィーは、鳥のビデオを見るのがお気に入りでした。

アルフィーが膀胱の病気を患ったのは、置き去りにされ、心に深い傷を負ったことが原因だろうと言われていました。
アルフィーの心が癒されていくに従い、彼はゆっくりと健康を取り戻していきました。
7月のはじめ、あるご夫婦からぜひアルフィーを譲ってほしいと言う申し出を受けました。
私たちは、考えた挙句アルフィーだけを愛する家族になってくれるというご夫婦の希望を受け入れ、アルフィーを送り出すことを決めました。
数か月、アルフィーと共に過ごした私たちは、アルフィーにとって最も必要なのは彼だけを愛してくれる家族であるということに気付いていたのです。
彼との別れはとても辛いものでしたが、彼の未来が輝いていると思うと寂しさを打ち消すほどの喜びでもありました。
アルフィーは今、家族に愛され、健康で幸せに暮らしています。