1年以上前、我が家の庭に1匹の猫が姿を現しました。とてもフレンドリーな猫で、テラスに上がると跳ねまわっていました。とても可愛かったので私は猫とふれあい、おやつをあげました。すると、翌日猫は再び現れそれ以来毎日我が家のテラスを訪れるようになったのです。どうやら私の歓迎は彼女の期待以上だったようです。

彼女は隣人が飼っている『ママ』と言う猫です。
こうして『ママ』は、日課の散歩の途中に必ず我が家で過ごす時間を持つようになりました。

『ママ』は庭に現れると、テラスや窓から中の様子を伺います。
私や家族を見つけるとガラスをノックし、鳴きながら自分が来たことをアピールします。
私たちを見つけられなかったときは、テラスにある家具の上で昼寝をして私たちが気付くまで待っています。

彼女の目的はただひとつ。
私たちに撫でてもらい、おやつを食べることです。
私たちは『ママ』がやってくるとおやつの袋をもってテラスに出ます。
そして、彼女が満足するまで彼女を撫でたり抱いたりしています。
『ママ』にとっても、私たちにとってもそれは一日も欠かさない日課となっていったのです。

今日もまた『ママ』がやってきました。
私を見つけた彼女はさっきから大きな声で私を呼んでいました。

『来てあげたわよ、ここを開けなさ~い!』
彼女はまるでふたつめの自宅に帰ってきた気分でいるようです。

今日はちょっと意地悪をしようとじらしてみました。
戸口の前で彼女に向かって笑顔を振りまきます。
すると『ママ』は立ち上がり、肉球でガラスをノックし始めました。

『なにしているの?早く開けなさい!』

それでもじらしてみました。
『ママ』は自分で扉を開く勢いでガラスに手をかけています。

『早くってば・・・もぅ!!』
・・・たまりません♡

テラスに出た私は、『ママ』におやつをあげます。

一生懸命、美味しそうに食べる彼女を見ているのが、私にとっては楽しみになってしまいました。

お腹が満足した『ママ』は、頭を突き出して撫でるように催促してきます。
彼女は今日も目的を達成し、満足して散歩を続けに去っていきます。

『ママ』の天真爛漫な訪問は、私だけでなく家族の楽しみになりました。
『ママ』は我が家を第二の家と決めて、私たちは知らず知らずの間に彼女の思うがままに訓練されていたような気がしてなりません。

でもね。
あなただって『ママ』のような猫が現れたら、猫の思うがままになってしまうと思いますよ。