母猫の一家を見つけた地域は、食べ物を手に入れるのも難しく野良猫が子育てをするにはとても厳しい環境でした。一家がいた場所は瓦礫が散乱していました。しかし、母猫は空腹に耐えながら、子猫を守るために必要なものを集めて必死に育て続けていました。栄養状態が最悪の中、どうやって母猫が子猫たちを育てていたのか、私たちは驚きと共に感動すら覚えました。

私たちが到着したとき、子猫たちは生後6週。お腹を空かせた母猫は、子猫たちに恐らく1日に1~2回程度、栄養の不十分なミルクを与えることしかできなかったでしょう。母猫は貧血状態で、子猫たちもとても痩せていました。

病院で診察を受けた一家を、私たちは養育主の家でお世話をしてもらうことにしました。安全で温かな環境に移された母猫でしたが、彼女はなかなか警戒心を解いてくれませんでした。人間と距離を置き、養育主が彼女たちの部屋を出るのを見計らって子猫たちのミルクを与えていました。

保護されたときとても痩せていた子猫でしたが、ここではお腹いっぱいに食べることができ、無邪気に遊び回っていました。一家のお世話をしてくれている養育主は、これまでたくさんの保護猫たちのお世話をしてくれ、特別なケアが必要な猫たちを健康な状態に戻してくれた経験豊かな方です。彼女に愛情を注がれ、母猫もこの環境に慣れてきたようでした。

養育主の家で、いつでもお腹いっぱいになれる子猫たちが、のびのびとしていることに母猫は安心し始め、少しずつ人間に信頼を置くようになっていました。母猫は野良猫に関心のない地域で子育てを続けることが難しいことを理解してきたのかもしれません。次第に養育主の前でリラックスした姿を見せてくれるようになりました。

当初からあまり食べようとしなかった母猫でしたが、私たちは食欲を増し、栄養を補給するためのビタミンペーストを配合したウェットフードを加え彼女に与えています。子猫たちにも、特別栄養価の高いフードを与えています。
飢えと戦い、子猫を必死に育て守り続けていた母猫の一家。彼女たちが回復し、その時期が来たら新しい家族を探すことになります。それまでの間、母猫はゆっくりと体を休め子猫たちとの時間を味わってほしいと思っています。