子猫は両目を腫らしていて、触ると指先に肋骨を感じるほど痩せていました。周りに母猫がいないか探したのですが、見つかりませんでした。私が子猫を掬い上げると怯えるどころかすぐに抱きついてきました。よほど心細かったのでしょう。私が子猫を温めるために来ていたフードに入れてくるんであげると、安心したようにすぐに眠り始めました。

自宅に戻った私たちは、子猫をシェルターに連れて行くつもりでいました。目を覚ました子猫はフードの中が気に入った様子でその中をよちよち歩き周り、私に甘えて上機嫌でした。そこに、私の叔母から電話が入りました。『子猫をシェルターに連れて行くんですって?だったらここへ連れて来てちょうだい。』

おばの家にはすでに1匹の猫がいました。私たちは予定を変更し叔母の家に向かいました。おばの家に着くと彼女は汚れていた子猫をお風呂に入れ、たっぷりのミルクを飲ませました。きれいになってお腹もいっぱいになった子猫は、とても嬉しそうでした。

子猫を見つけた駐車場の辺りを母猫がいないかもう一度確認したのですが、結局見つけることはできませんでした。
猫を飼っているおばの家には子猫用のグッズもいろいろ揃っていました。おばは、子猫の母親代わりを果たすべく『準備はできているわ』そう笑っていました。そしておばは、子猫を動物病院へ連れて行きました。

子猫は生後1か月、おばの家族は彼をインディと呼ぶようになりました。インディは腫らせていた目をどんどん回復させ、すぐに鼻水も出なくなりました。おばは一生懸命お世話をし、痩せていたインディも順調に成長しました。

私はインディをおばの家へ連れてくるとき、おじいちゃん猫とうまくいくのか少し不安に思っていましたが、それも取り越し苦労に終わりました。インディはおじいちゃん猫にべったりです。今年15歳になるおじいちゃん猫は、インディをとても可愛がり、まるでお母さんのようにお世話をしてくれています。

よちよち歩きだったインディも、家中を走り回るようになりました。インディはとても活発でソファからソファへ飛び移る様は、さながら黒いピンポン玉が跳ね返っているようです。いたずらっぽい目をくりくりさせて、次から次へとヤンチャを繰り返しています。そんなインディを叔母の家族は温かく見守っています。
ひとりぼっちでおなかを空かせていたインディは、おばの一言で自分の家を見つけることができました。私たち家族も今後のインディの成長が楽しみでなりません。