ボンネットを開けて探し始めると、居ました。小さな子猫がワイヤーの間に引っかかって動けなくなっていました。
私は、慎重に子猫の方へ手を伸ばし、絡んだワイヤーの中から掬い上げました。
子猫を連れて帰る間、とてもおとなしくしていました。

自宅のアパートメントに戻った私は、油とほこりにまみれていた子猫をお風呂に入れました。
残念ながら自宅には子猫にあげられるような食べ物はありませんでした。
私は急いで買い物に出かけ、子猫のための缶やドライフード、トイレに、ブラッシング用品などもろもろを手に入れました。

お腹がいっぱいになった子猫は、自分のからだをきれいに整え終わると、私に少しずつ信頼を置き始めていました。
『助けてくれてありがとう』子猫はそういう目をして、私にじゃれてきました。

私が住むアパートメントは、ペットを飼うことができません。
私はガールフレンドのメアリーに相談しました。
メアリーは、子猫に一目惚れでした。
彼女は、私たちが子猫と一緒に暮らせる家が見つかるまで、自宅で子猫の世話をすると言ってくれました。

子猫は、遊ぶのも寛ぐのもソファの上が一番のお気に入りでした。
小さな子猫には、私たちをホッコリさせる可愛い癖がありました。
子猫は私たちが何をしているのか見詰めているとき、脚を組んで座るのです。
ちょっとセクシー・・・?いやいや、可愛すぎます。

子猫と私たちが出会って1週間が過ぎたとき、メアリーの友人、スミスさんが子猫を譲ってほしいと言ってきました。
彼女の2歳になる息子は、ずっと前から彼女に向かって『ミュウミュウ(子猫)はどこ?』
子猫が欲しいとおねだりしていたそうです。
スミスさんはメアリーが話していた子猫こそ、息子と一緒に成長する猫にふさわしいと思ったそうです。

私もメアリーも子猫と別れるのはとても淋しいと思いました。
でも、スミスさんの坊やならきっと子猫と仲良くしてくれる、スミスさんなら子猫を大事にしてくれるでしょう。
そう思って子猫をスミスさんと坊やに譲ることにしました。
子猫はスミスさんの家で、坊やといつも一緒、たくさんのオモチャに囲まれて幸せに暮らしています。
私が子猫と過ごしたのはたった1週間。
短い時間でしたが、私はいつまでも子猫のことを忘れません。