床に散らばった1ドル札は1枚や2枚ではありませんでした。勿論会社のものではありません。私もスタッフもなぜそこにあるのか理解できませんでした。ただ、お札が散らばっていたのは、オフィス猫のワインがいつも日光浴を楽しんだり、通りを眺めている場所です。もしかしたらワインが関係しているのでは・・・そう思いました。

ワインは、彼が生後6か月のとき施設から引き取った猫でした。彼は野良猫だったそうです。以前、オフィスは害虫の被害にあい、その予防策にワインをオフィスで飼うことにしたのです。効果はてきめん、ワインはオフィスのマウスを守るのに大活躍していました。さらにスタッフは、日中自由に過ごしているワインとふれあっては疲れを癒しています。

私はひとつの仮説を立てました。通りを行く人がドアの隙間から1ドル札を使ってワインと遊び、ワインはそれを奪ってしまったのではないか・・・。そこで、私はスタッフと一緒にこの仮説を試してみたのです。するとワインは、隙間で上下に動かす1ドル札を自分の方へ引き込んで、すべて奪ってしまったのです。実際にやってみると、ワインは目にもとまらぬ速さで1ドル札に襲い掛かり、奪ってしまいまました。それは面白い遊びだったのです。

私や従業員が帰った後の人気のないオフィスで。ガラス製のドアの向こうから、彼を遊びに誘惑する通行人によって差し込まれた1ドル札をワインは見事にとらえ、通行人を喜ばせていたようでした。多分、このゲームではじめて1ドル札を使った人は、まさか猫に取られてしまうとは予想していなかったでしょう。私はこの時撮影した動画をオフィスのFacebookに投稿したのです。

そしてワインがお気に入りの場所に、メッセージを張ることにしました。そこには『警告!この猫は、慈善団体の活動家です。あなたのお金を奪い、ホームレスのタルサ・デイ・センターに寄付します。毎週の彼のゲームを見たいならFacebookの#CashnipKittyを検索してください!』そう書いたのです。

私はワインが奪い取った紙幣やコインを、地元のホームレスの支援団体に寄付することにしたのです。するとメッセージを投稿して以来、ワインと通行人のゲームにある変化が起こっていました。ゲームの挑戦者はガラスをタップしてワインを呼び寄せこう言うのです。『君のものだよ』そう言って1ドル札やコインをドアの隙間から入れて行くようになったのです。

ワインはすでに200ドル以上を集め、それはすべてタルサ・デイ・センターに寄付しました。ホームレスだったワインは、私たちのオフィスで恩返しをして楽しんでいます。

ワインの名前は、彼が野良猫だった頃に由来しています。幼くしてひとりぼっちになったワインは、きっとたくさん泣いたでしょう。あだ名にSir Whines A Lot 、通称ワインと名付けました。
成長した彼は、のびのびとした暮らしの中で、得意の遊びで私たちに恩返しをしています。しかも、それはかつてのワインと同じようなホームレスを支援するのに役立っています。
私はこれまで、たくさんのオフィス猫を見てきましたし、オフィス猫を飼うことをお薦めしていますが、ワインのようなオフィス猫は見たことがありません。