私たちがいたのは海岸から1.6kmほど離れた位置で、水深が4.5mほどありました。私は橋の真下にいたので車を見ることはできませんでしたが、同僚たちが何かが車から投げ込まれたと私に言ったのです。この辺りは橋の上からゴミを投げ捨てる人が多く、その時もそうだと思って気にしていませんでした。ところが、何か動くものが見えたのでボートを近付けたのです。

動いていたのは小さな子猫だったんです。子猫はかろうじて水面に顔を出していましたが、今にも溺れてしまいそうでした。私は思わず飛び込んで子猫をボートの上の同僚に渡しました。タオルに包んだ子猫はガタガタ震えて怯え切っていました。

子猫は鼻や耳から海水を引き飛ばしました。まだ少し怯えていましたが、ボートの上に上がってホッとした様子も見えました。私たちはボートを岸に着け、子猫を動物病院へ連れて行きました。診察の結果、鼻に小さな傷が見つかったものの、奇跡的にケガもなく子猫の健康に問題は見つかりませんでした。

私たちは、子猫にブリッジャー・キャットフィッシュ・ニューマンと名前を付けました。子猫は私の腕の中で元気に鳴き声を上げるようになりました。何だか手放せなくなって、私はブリッジャーを家に連れて帰ることにしたのです。

私の家族は妻とブリッジャーより年上の猫のグルーパー、それに15羽の鶏です。ブリッジャーは、私たち家族の一員に加わり我が家の庭で元気に遊び始めました。ブリッジャーはものすごい勢いでご飯を食べ、たっぷりの水を飲みました。

長い一日が終わり、初めて我が家での夜を迎えたブリッジャーは、暖かなベッドでゆっくりと眠りにつきました。ブリッジャーの安心しきった寝顔を見て、私もなんだかホッとしました。

ブリッジャーが我が家に来て1か月が過ぎ、彼はのびのびと暮らしています。1か月前のあの朝、偶然居合わせた私たちは幸運でした。同僚たちはブリッジャーのために動物病院へ行き、ずいぶん余分な時間を使いました。そんな同僚たちをほかの同僚たちも誇りに思ってくれました。私の同僚たちは今でも、ブリッジャーの成長を楽しみにしているのです。