シェリルから相談を受けた私たちは、サンフランシスコに拠点を置く動物保護団体Saving Grace Rescueです。私たちは子猫を引き取ることにし、スタッフがカリフォルニアへ子猫を迎えに行きました。

子猫は生後4週、橈骨発育不全という先天的な障害を持って生まれていました。子猫は、橈骨という前足を構成する骨の発育不全のため、前足から肘にかけてが短く4本の足で体を支えることができません。しかし、子猫は後ろ足2本を使って上手に立ち上がり、普段の生活に必要な動きに何の問題もありませんでした。

子猫はカンガと呼ばれるようになっていました。私たちはカンガを養育主の元でお世話をしてもらい、新しい家族のもとへ旅立つ準備をすることにしました。カンガは養育主の家で愛情を注がれ、とても嬉しそうにのびのびと暮らしていました。

養育主に甘えるカンガの映像を見たジョイスは、カンガに一目で恋をしたそうです。彼女はカンガを引き取りたいと私たちに連絡を取ってきました。カンガはまだ小さかったので、待ちわびるジョイスを約1か月待たせた後、彼女のもとへ旅立って行きました。2014年6月のことでした。

ジョイスの家には、トラ縞の猫スキットルズ、犬のブランドン、ブラウニーがいました。彼らは小さなカンガを歓迎し、カンガははじめての家族との生活に、瞬く間に溶け込んでいきました。家中を駆け回るカンガをジョイスはとても誇らしく思ったそうです。

先輩たちの中でも、猫のスキットルズはカンガを気に入ったようで、まるで妹のようにとても可愛がってくれていました。ジョイスは仲のいい2匹の様子を見て、『スキットルズは妹ができたと喜んでいるわ』そう言って喜んでいました。

ジョイスの家族として愛情を注がれたカンガは、たくましく美しい猫へと成長しました。カンガが1歳を迎えた頃、ジョイスは猫の養育主としての活動を始めていました。新しい家族を探す猫を何匹も預かるジョイスは、そんな猫たちとふれあうカンガの、ある能力に気付き始めていました。

カンガは、ジョイスが預かっている猫たちに何かと世話を焼き、猫たちはカンガのマネをして人間と暮らすことに慣れて行きました。カンガには、かつての自分と同じような猫たちを導く力が備わっているようです。
ジョイスのもとに、アレイラニというカンガと同じ障害を持つ子猫が預けられました。アレイラニは今、カンガをお手本にたくさんのことを勉強中です。
自分と同じようにたくさんの猫に幸せになってほしい、カンガはそう思っているのかもしれません。