予定にはなかった子猫を、私はクロエと呼ぶことにしました。クロエは愛らしく、とても繊細な個性を持っている子猫でした。クロエに何が起こったのか知る人はいませんでしたが、私が確実に知っていたのはクロエに乱暴な手を向ける人など二度と現れないということ、そして、もし彼女に再び歩ける可能性があるならば私たちは最善の努力をするということ、そして彼女は愛されて輝けるということ。それは私の決心でもありました。

クロエは獣医師の診察を受け、後ろ足の状態が明らかになりました。彼女の背骨は約3か所の関節と推骨で押しつぶされ、後ろ足が全く動かせず、後方に向かってスクロールできるだけの状態でした。しかし、感覚は残っていて刺激を受けると足を引く動きをしました。いくつかの失われた機能に排尿があり、彼女の膀胱はシェルターにいた2日間の間に限界近くまで膨らんでいる状態でした。幸いなことにクロエは痛みがありません。しかし獣医師は、彼女の状況は極端であり2度と歩くことはないだろうと私たちに絶望的な診断を告げたのです。

私は楽観的な考え方をする人間です。クロエの後ろ足の感覚が残っていることや、刺激を受けると排便ができることなど、いくつかの可能性があることからここで諦めることができませんでした。少しでもクロエの成長のためにできることがないか、私は代替治療を求めて情報を集めることにしました。

クロエは自分の足のことを気にしてなどいません。動かせる前足を使って、探検と遊びを楽しんでいました。ある人から、『クロエを箱にのせてあげて。きっともっと楽しいはずよ。』そう言われ、試してみました。クロエは箱に乗った後ろ足に前足を使い、フローリングの上を滑らかに移動して遊びました。私はその姿に涙が止まりませんでした。クロエ自身が希望だと思いました。

私たちは多くの医師に相談し、最善の方法を見つけようとしていました。その結果、食事、サプリメント、レーザー治療にいくつかの理学療法を用い神経に働きかける治療を選びました。その結果、私たちの期待を上回る結果を出すことになりました。クロエは後ろ足で蹴るようになり、お尻を動かし起き上がるようになりました。長い道のりの始まりにしかすぎませんが、私にとっては大きな大きな第1歩に感じられました。

その後も治療が功を奏し、クロエの膀胱は一部の機能を取り戻して周囲を驚かせました。さらに両膝を動かせるようになってきたのです。私たちは軽い素材でできた歩行器を取り入れ、歩行のトレーニングを始めたクロエは決して弱音を吐かないたくましさを見せてくれました。クロエはいつも前しか見ていませんでした。

治療や訓練の合間にクロエは施設の生活でも成長を見せ、後に入った自分より小さな子猫の遊び相手をしています。クロエをこの施設に連れて来た頃と同じくらいの子猫です。子猫はクロエに遊んでもらうのが大好きなのです。強い精神力と困難に立ち向かうたくましいクロエも彼女のもつ一面ですが、クロエはとても愛情深以子です。クロエは私と話しをするのが好きで、あごを撫でられるのが大好きな甘えん坊、そんな別の一面も持っています。

成長と共に、ますます輝きを増しているクロエは、長い道のりをこれからも戦い続けることでしょう。治療や訓練に限定するならクロエに諦めという概念はないのかもしれません。
そんなクロエに8月の終わり、永遠の家族が見つかりました。クロエには引き取りたいという申し出が過去に何軒もありましたが、私たちはクロエの治療と将来のために慎重に検討を重ねてきました。新しい家族に決まった方たちとも細かい調整を進めています。今後も治療を続けるクロエに私たちはサポートを続けます。クロエがもう1匹の仲間と共に新しい家族と西海岸へ旅立つ日まで、私は彼女を支えていきたいと思っています。