セレーネと母猫のミューズが私の家に来たのはセレーネが生後5日の時でした。セレーネはとても小さく生まれていて新生児のサイズしかなく、最初の1週で体重を倍にしなければならない状況でした。セレーネの目が開いたとき、私は今までに見た子猫の中で最も愛らしい個性的な子だと思いました。

一方、母猫のミューズは出産直後に大きく変わった環境に混乱し、強いストレスを抱えてしまったようでした。ミューズは次第にセレーネにミルクを与えようとしなくなり、最終的にミルクが出なくなってしまったのです。

セレーネはママのミルクを欲しがって鳴いていました。お腹を空かせたセレーネのために私が代替のミルクを作って彼女に飲ませると、気に入って飲んでくれました。セレーネはママのミルクと味が違うといった細かいところは気にしていないようでした。

少しずつ着実に体重を増やしたセレーネが、生後2週半になった頃、私はふとセレーネの臍の緒の異常に気付きました。通常、子猫の臍の緒は生後3~5日で自然に落ちてしまうのですが、セレーネの臍の緒は根元が裂けて開いた状態で残っていました。どうやらミューズが毛づくろいをするときに舐めてしまっていたために、自然に落ちきれなかったようです。

私はセレーネとママのミューズを離ればなれにしたくないと思いました。ミューズがセレーネのお腹を舐められないようにするには・・・。思いついて、私の靴下でセレーネに何枚かのセーターを作って着せました。これで傷の悪化を防ぐことができるといいのですが・・・。

私は伸縮性の優れた素材のソックスにセレーネのしっぽと足を出す穴をあけ、つま先の部分を切りました。小さなセレーネにはピッタリのサイズに仕上がりました。セレーネは靴下のセーターを気に入ってくれたらしく、嫌がることはありませんでした。セーターを着たセレーネは、ママと一緒の時間を安心して楽しむことができました。

間もなくして、ミューズはセレーネのお世話を続けることができなくなってしまい、避妊して新しい家族を探す方がいいということが分かりました。私はミューズに代わってセレーネのお母さん役を引き受けることになり、ミューズを探すセレーネのために付きっ切りでお世話をすることにしました。私はセレーネ専用のポーチを作り、カンガルーの親子のようにセレーネと一緒にいました。

セレーネは毎回ミルクの後に私の手で遊び、喉をゴロゴロと鳴らし、そして眠りにつきました。セレーネは96gしかなかった体重を7週目に635gまで増やすことができました。まだ少し小さいのですが、彼女の旺盛な食欲があれば、すぐに平均に追いついていくでしょう。私はセレーネに猫同士のコミュニケーションを覚えてもらおうと、彼女と同じくらいの子猫を2匹選び一緒に過してもらっています。セレーネは今、仲間たちとの遊びを大いに楽しんでいます。私は、よりたくましく成長する彼女を頼もしく感じています。