通常85g以下で生まれた子猫は未熟児とされますが、発見された2匹の子猫は大きさがリップスティックほどしかなく、左のキジトラの子は約60g、右の白黒(タキシード)の子はさらに小さく約51gしかありません。それは卵1個分の重さ、新生児の平均の約半分の重さでした。子猫たちは5日早く生まれてしまったのですが、猫の1日は人間に換算すると約1週間。子猫たちは1か月も早く生まれてきたことになります。

2匹の子猫たちには特別なケアが必要だと感じたシェルターのスタッフの方が、私たちに助けを求めてきました。私たちの施設の共同創立者、スーザン・スポールディングは未熟児の養育のエキスパートです。シェルターの方はスーザンのことを知っていて、彼女に子猫たちを託したいと考えていました。私たちは子猫を引き取ることにしました。

子猫たちの問題は、小さく生まれたことだけではありませんでした。子宮の中で十分に発育できなかった子猫たちは、内臓も未発達のままで生まれています。特に肺と消化器系の機能が不十分なため、与えるミルクは栄養価を調整し、はじめの数日は保育器の中で呼吸を助ける必要がありました。さらに免疫系も未熟なため、スーザンは感染症のリスクを回避するために細心の注意を払っていました。

子猫たちはスーザンのお世話に応えるかのように、与えられるミルクを必死で飲み干し、その姿に私たちは強い生命力を感じました。私たちは小猫に名前を付けていました。キジトラの子にピーターウィッツ、タキシードの子にパティケーキ。小さな彼らは、その身体に似合わない強い心を見せ、何かと懸命に戦っているようにみえました。

スーザンがお世話を始めて1週間後、彼らの体重は113g。保護されたときの2倍に達しました。生存が危ぶまれていた子猫たちにとって、生き延るための大きな前進と言えました。『私はいつも不思議に思います。他の命が失われていく中、いくつかの命が選ばれるように生き延びて行きます。ピーターウィッツとパティケーキの場合、私たちに届けられるまで、迅速に保護され冷えや脱水の危険にさらされることなく十分にケアされていました。そして彼ら自身の優秀な遺伝子の存在も否めないでしょう。』

『彼らが生き続けるチャンスを活かすためには、人が彼らに触れ、愛し、彼らにとって快適な環境を維持する必要があります。私はこれが生死を分ける差につながると信じています。それは人が愛情を注ぎ続けることで労力を必要としますがその価値は十分にあります。』
そして2か月が経過し、2匹は順調に成長を遂げていました。ピーターウィッツは子猫の平均体重の追いつき、より小さかったパティケーキももう少しで兄弟に追いつきます。彼らはそれぞれの個性が現れ始めています。もうすぐ彼らは永遠の家族を探す時期を迎えます。これまでの長い旅を力強く歩んだ彼らです。勝ち取った人生を楽しんでほしい、私たちはそう願っています。