動けないでいる子猫のそばを、かなりのスピードで車が走り抜けて行きます。違反だとはわかっていましたが、私の中では子猫の安全の方が優先でした。
子猫は頭にケガをしていました。状況から見て車の窓から投げ捨てられたようでした。私はそっと子猫を掬い上げました。

持っていたタオルに包んで子猫の頭を撫でました。怯えていた子猫は少しほっとしたようでした。私は子猫をラッキーと呼ぶことにしました。
動物愛護協会の友人に助けてもらい、ラッキーを動物病院へ連れていき、けがの治療を始めました。病院へ行くまでの間、ラッキーはとてもおとなしくしていました。

その夜、ラッキーは私の腕の中でゴロゴロと喉を鳴らして甘えました。ラッキーの寝顔を見ていると、やはり助けて良かったと思いました。

高速道路から助けられて2週間が経ち、ラッキーはケガの治療をしながら愛護協会の養育スタッフの家で過ごしていました。スタッフにお世話をしてもらい、元気を取り戻しつつありました。辛い経験をしたにもかかわらず、ラッキーは人懐っこい個性を発揮し始めていました。

私はときどきラッキーのもとを訪れています。私が行くと、ラッキーは駆け寄って来て私に挨拶してくれます。私は違反切符を切られてしまいましたが、ラッキーの未来に替えることはできません。もうすぐラッキーは、新しい家族を探すことになるそうです。私は一日も早く、ラッキーを温かく迎えてくれる家族が見つかることを願っています。