私たちの施設では、販売目的で捕獲された野生動物や、野生で孤立したり、親を失ったものを保護しケアした後再び野生に戻す活動をしています。ロバートは子供の頃に捕獲され、ペットとして販売するために爪を除去されていました。爪を失くしたロバートには狩りができません。修復できない爪の除去は、ロバートが野生に戻るチャンスを永遠に奪ってしまいました。

私たちはロバートに彼が生涯を過ごす豊かな緑を持った家を与えました。そして2005年、ロバートの家で保護した子供のボブキャットが一緒に暮らすようになりました。子供のボブキャットが再び野生に戻るためには、本来親や周りの大人たちから学習するはずだった様々なことを学んでおく必要があります。

野生に戻るための訓練の難しいところは、子供のボブキャットを人間が世話をして慣れさせてしまうと、彼らは警戒心を失ってしまうため、その子供は野生に戻ることができなくなってしまうのです。ロバートの優しい一面を知る私たちは、子供の世話を彼に任せてみてはと考えました。

通常野生のボブキャットの父親は育児に関与しません。私たちは万一に備え、すべてを準備して子どものボブキャットをロバートの家に連れて行きました。ロバートは、彼の家に入った子供のボブキャットに近づいてその子を舐め始めました。

それ以来、ロバートは保護されたボブキャットの子供たちと一緒に過ごし、彼らをたくましくして野生に返し続けています。ロバートと過ごす以前のボブキャットの子供たちはごはんの時間になると人間の姿を見ていましたが、今はロバートを見ています。彼らが遊んでいたのは人間でしたが、今はロバートと遊んでいるのです。

ロバートは子供のボブキャットに比べずっと年上ですが、彼は遊び心を忘れていません。ロバートは現在、9匹の子供たちと一緒に過しています。ボブキャットの子供たちは動くことに興味を持ちます。ロバートは、彼らが理解する言語を使い、動き、子供たちを矯正しています。ロバートは子供たちに秩序を教えているのです。

ロバートはいつも厳しいわけではありません。私たちはよく、ロバートのしっぽでたまとりをしている子供を見かけます。そんな時のロバートは優しいお父さんの顔をしています。
身勝手な人間のために野生に帰ることができなくなったロバートですが、彼は前向きに生きています。ロバートだからこそできることが、彼の生きがいになっているのかもしれません。野生動物に人間ができることは限りがありますが、ロバートは私たちにとって最高のリーダーとして活躍し続けるでしょう。